4月から雇用保険料が引き下げに

雇用保険料の引き下げ案が国会に提出されており、国会で可決されれば4月1日から料率は、

1000分の2.5引き下げられることになりそうです。

現在の雇用保険料は、
・一般の事業     1000分の13.5
     うち労働者の負担 1000分の5、
     事業主負担    1000分の8.5

 

・農林水産・清酒製造 1000人の15.5
     うち労働者の負担 1000分の6、
     事業主負担    1000分の9.5

 

・建設業       1000分の16.5
     うち労働者の負担 1000分の6、
     事業主負担   1000分の10.5
ですが、

引き下げ後は、

 

・一般の事業     1000分の11
    うち労働者の負担 1000分の4、
    事業主負担    1000分の7

 

・農林水産・清酒製造 1000人の13
    うち労働者の負担 1000分の5、
    事業主負担    1000分の8

 

・建設業       1000分の14
    うち労働者の負担 1000分の5、
    事業主負担    1000分の9

になります。

雇用保険では、介護休業給付の引き上げや65歳以降新たに雇用される者を雇用保険の対象者とするなどの改正も予定されていますが、詳細につきましては、次回以降、お知らせしたいと思います。

 

 

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セクハラ・マタハラの初調査が実施に

厚生労働省は15日、セクハラやマタハラについて、初の本格的調査を行うことを決めました。


セクハラは皆さんご存知だと思いますが、妊娠・出産を理由に不当な扱いをするマタニティーハラスメントを略してマタハラと言います。


各地の労働局に2013年度に寄せられた相談は、セクハラ関連が6183件、マタハラ関連は3371件もあります。


国は、派遣やパートなど立場が弱い非正規雇用の女性の被害の実態をつかみ、防止策づくりに役立てるために調査を行うとのことですが、正直、今頃になって?という感じですね。
調査は、来年以降に実施するとのことです。


最高裁でも10月に、マタハラは「妊娠による降格は本人の同意がなければ違法」とする初判断を示しており、調査結果を是非、セクハラ・マタハラの防止策に活かしてほしいものです。


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10月5日から最低賃金が718円になります!

10月5日より石川県の最低賃金が704円から718円に引き上げられます。

 

最低賃金は県によって異なっていますが、石川県は14円のアップです。

 

これからハローワークに求人を出される際、時給が最低賃金を下回っていないかお気を付けください。

 

従業員の給与が月給や日給の場合は、時給に換算して最低賃金を下回っていないか確認しておく必要があります。

 

うちは従業員の給与は月給だから、最低賃金は関係ないよね。」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、決してそんなことはありません。

 

パートさんやアルバイトにも適用されますので、是非、確認してみて下さい。

 

なお、時間給が800円未満の従業員がいる場合、時給を800円とする計画を作り、1年目に時給を40円以上引き上げると国からの助成措置があります

 

最低賃金引き上げ支援対策費補助金、いわゆる「業務改善助成金」というものです。

 

これを機会に、この助成金の受給を検討してみる価値はあると思います。

 

 

 

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平成26年度の雇用保険料率は・・

1月27日の厚生労働省の告示で、平成26年4月1日からの雇用保険料は、平成25年度と同率で変更なしとなりました。

 

(ちなみに平成24年度から同率です。)

 

従って、雇用保険料は、一般の事業で      13.5/1,000

           農林水産業、清酒製造業 15.5/1,000

           建設業         16.5/1,000

 

このうち、事業主負担分は、一般の事業で     8.5/1,000

           農林水産業、清酒製造業  9.5/1,000

           建設業         10.5/1,000

 

となります。

 

給与をご担当されている方にとっては、煩わしい作業がひとつ減ったという感じでしょうか。

 

事業主は雇用保険二事業分を全額負担しているので、被保険者より負担割合が大きくなります。雇用保険二事業とは、労働局からの助成金などの事業です。助成金のおおもとは、事業主の皆様からの保険料が財源となっていますので、助成金の対象となるものがあれば、積極的に申請し受給していきたいですね。

 

なお、平成22年4月より、雇用保険の適用範囲が拡大されていますので、お気をつけください。

 

従来は、1週間当たりの労働時間が20時間以上で、6か月以上雇用見込がある者が被保険者となりましたが、平成22年度より、1週間当たりの労働時間が20時間以上で、31日以上雇用見込のある者は雇用保険の被保険者となります。

 

雇用保険料率のパンフレットは、↓ですので、ご参照ください。

 

http://www.lcgjapan.com/pdf/kohoh26.pdf

 

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10月19日から石川県の最低賃金が704円になりました!

昨日、10月19日より石川県の最低賃金が693円から704円に引き上げられました。

 

最低賃金は県によって異なっていますが、石川県は11円のアップです。

 

最低賃金は都道府県ごとに異なっていて、都会では最低賃金も高いのですが、すべての都道府県で最低賃金は11円以上アップし、全国平均で最低賃金は749円から764円と15円のアップになりました。

 

今回の改正により、最低賃金が生活保護より低い逆転現象がおこっていた11都道府県のうち、北海道を除く10都府県で逆転現象が解消します。

 

これからハローワークに求人を出される際、時給が最低賃金を下回っていないかお気を付けください。

 

まれに、「うちは従業員の給与は月給だから、最低賃金は時給で〇〇円以上となっているので、最低賃金は関係ないよね。」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、決してそんなことはありません。

 

月給を時給換算して、最低賃金を下回っていないか計算する必要があります。

 

パートさんやアルバイトにも適用されますので、是非、確認してみて下さい。

 

なお、時間給が800円未満の従業員がいる場合、4年以内に時給を800円とする計画を作り、1年目に時給を40円以上引き上げると国からの助成措置があります

 

最低賃金引き上げ支援対策費補助金、いわゆる「業務改善助成金」というものです。

 

これを機会に、この助成金の受給を検討してみる価値はあると思います。

 

 

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全業務が無期限派遣の方向で検討!

4日に開催された「第17回規制改革会議」で、労働者派遣制度について意見書が出されました。

 

現在、派遣会社から企業へ労働者を派遣する場合、無期限に派遣できるわけではなく、派遣期間の上限が定められています。

 

派遣期間は原則1年で、派遣先で労働組合の意見を聞いた場合は3年なっており、いわゆる「26業務」と言われる専門的業務については、派遣期間の制限はありません。

 

従って、製造業や一般事務などで労働者を派遣する場合は最長3年、ソフトウェア開発や広告デザイン、受付・案内業務などの26業務に該当する場合は、無期限ということになりますが、派遣期間を無期限としている26業務が本当に専門的業務で、これらの業務だけを派遣期間を無期限とすることが適切かは疑問です。

 

このため、今回の意見書では、派遣元に有期雇用されている派遣労働者のみ期間制限を行い、労働者が派遣元と無期限の雇用契約を結んでいる場合は、「いわゆる26業務」を廃止して、全業種で派遣期間の上限を撤廃(無期限とする)することが提案されています。

 

また平成24年10月より、契約期間が30日以内の日雇派遣が原則禁止となっていますが、結局、派遣先で日雇い労働の直接雇用が増えただけなので、見直す必要があるのではということも提案されています。

 

年内に結論が出されるとのことですが、正規労働者が全体の4割近くなった現在、正社員の仕事を奪うのではという懸念から派遣期間に上限を設け、正社員の保護をしていた法律も派遣労働の濫用防止や派遣労働者の保護という方向に転換する時期にきていると思います。

 

 

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求職者支援制度をご存知ですか?

雇用保険の失業等給付を受けられない求職者で、職業訓練などを行う必要があると公共職業安定所(ハローワーク)が認めた者には、平成23年10月より「求職者支援制度」による支援が行われています

 

雇用保険の失業給付は、原則、会社を辞める前2年間に12月以上雇用保険に加入していていないと支給されません

 

例えば、

・雇用保険に加入していなかった

・雇用保険の加入期間が足りない

・自営業を廃業した

・学卒未就職者

といった方々には失業給付が支給されません。

 

こうした方々を対象に、職業訓練によるスキルアップによって、早期に就職できるという想いで作られたのが、「求職者支援制度」です。

 

具体的にどんな支援がされるかというと、こうした方は、民間訓練機関が厚生労働省の認定を受けた職業訓練を実施していますが、基本的能力を習得するための「基礎コース」や特定の職種に必要な実践的能力を習得できる「実践コース」を原則、無料で受講することができます

 

また、訓練期間中は、本人の収入が月8万円以下で、世帯全体の収入が月25万円以下など一定の条件を満たす場合は、月額10万円の「職業訓練受講給付金」が支給されます。

 

会社を辞めたが条件を満たさないため失業給付を受けられない方に、是非利用していただきたい制度です。

 

 

 

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最低賃金が704円に!

以前、ご案内しましたが、10月19日より最低賃金が693円から704円に引き上げられます。

 

最低賃金は県によって異なっていますが、石川県は11円のアップです。

 

厚生労働省が10日に発表した資料によると、すべての都道府県で最低賃金は11円以上アップし、全国平均で最低賃金は749円から764円で15円のアップになります。

 

また、今回の改正により、最低賃金が生活保護より低い逆転現象がおこっていた11都道府県のうち、北海道を除く10都府県で逆転現象が解消します。

 

これからハローワークに求人を出される際、時給が最低賃金を下回らないようお気を付けください。

 

うちは従業員の給与は月給だから、最低賃金は時給で〇〇円以上となっているので、最低賃金は関係ないよね。」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、決してそんなことはありません。

 

月給を時間給換算して、最低賃金より下回っていないか確認されることをお勧めします。

 

厚生労働省HPは、こちら ↓ です。

 

http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000022442.html

 

 

 

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飲食店の労務管理について その1

ご縁があって、ある飲食店さんの就業規則を作っていますが、飲食店経営が成功するかどうかの鍵をにぎっているのは何でしょうか?

 

立地や資金力、料理、接客サービス、ブランドなど色々あると思いますが、やはり「人」が一番重要ではないでしょうか。

 

自分のお店にあった人材を採用し、意欲をもって仕事をしてもらい、売上や利益に貢献できる人材を育てることが重要だということは、どのお店の経営者も認識していることだと思います。

 

そうは言っても、店舗の営業時間が長く、年中無休も多い飲食業で未払い残業を発生させず、きちっとした労務管理をしていくのは、なかなか難しいことです

 

法律を守って残業代を払っていたら飲食業の経営は成り立たないと言う話も聞きますが、決してそんなことはありません。

 

今回、就業規則の作成を通じて、飲食店の経営や労務管理について、色々と考えさせられました。

 

例えば、未払い残業を発生させないため、労働時間や給与の決め方にちょっとした工夫を凝らすことで、随分改善することができますし、求人の出し方を工夫することによって、返済不要の助成金を受給することも可能です。

 

未払い残業を発生させないための労働時間や給与の具体的な決め方などについては、次回触れたいと思います。



 

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最低賃金が10月から11円アップに!

今日の北国新聞にも書かれていましたが、石川県の最低賃金が693円から704円に引き上げられます。

 

11円アップという大幅?な引き上げです。

 

景気が上向きであるという判断で11円のアップとなったようですが、最低賃金が生活保護水準を下回っているという逆転現象のある県(主に都市部)では、19円前後の大幅なアップになりそ

                うです。

 

引き上げは、10月18日からの予定です。

 

これからハローワークに求人を出される際、現在は、時給が最低賃金の693円を下回っていなければOKですが、

 

例えば、時給693円で求人を今日(8月22日)出した場合、申し込まれた求人は翌々月末(10月31日)まで有効なので、10月18日からは、最低賃金を下回る時給での求人ということになり、求人の出し直しが必要になると思われますので、ご注意下さい。

 

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1か月単位の変形労働時間制について

季節によって業務の繁閑がある場合、1年単位の変形労働時間制の活用を検討されてはどうかという話を以前しましたが、従業員が10人未満の飲食業や診療所などでは、残業手当の削減という観点から、1か月単位での変形労働時間制が有効です。

 

原則、労働基準法で、1日の労働時間が8時間を越えた場合、割増賃金が必要になりますが、1日の労働時間が8時間を超えていなくても、週6日勤務などで、1週間の労働時間が40時間を越えると越えた分の労働については、割増賃金の支払いが必要になります。

 

ところが、これには例外があり、従業員が10人未満の飲食業や診療所などの保健衛生業では、1週間の労働時間を44時間とすることが特例で認められています

 

従業員が10人未満の飲食業や診療所などは、1週間の労働時間を44時間とし、44時間までなら割増賃金を支払わなくていいということです。

 

ただ、1日の8時間を超える労働については、割増賃金の支払いが必要になります。

 

しかし、今回ご紹介している「1か月単位の変形労働時間制」とは、1か月を平均して勤務時間が週44時間以内であれば、1日の労働時間が8時間を超えてもいいというものなので、この1か月単位の変形労働時間制を使うことによって、1日8時間を超える労働時間に対する割増賃金の支払いが不要になります。

 

経営者にとっては、1週間の労働時間を40時間から44時間に4時間伸ばして、かつ1月で週平均の労働時間が44時間になっていれば、忙しい週は割増賃金を支払うことなく労働時間を44時間以上とすることもできるので、検討の価値がある制度だと思います。

 

なお、この制度を使う場合は、就業規則を直すか労使協定を締結して届け出る必要がありますので、手続きはしっかりと行うよう気を付けてください



 

 

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休日に残業した場合の割増賃金率は?

会社がお休みに日に、仕事をした場合、休日勤務による賃金の割増率は、いくらになるでしょうか?

 

休日勤務なので、35%と考えられた方、半分正解です。

 

実は、休日に残業をしても賃金の割増率が25%になるときがあるからです。

 

労働基準法で、「事業主は従業員に最低、週1回の休みを与えなければならない。」ということになっており、この週1回のお休みを法定休日と言います。

ですから、週休二日の会社で土・日がお休みにしているからといって、土曜日と日曜日の両方が法定休日になるわけではありませんし、国民の祝日をお休みにしていても、それは法定休日ではありません。

 

最低限、週1回休ませる日、それが法定休日になるわけです。

 

土・日が休みの会社で、日曜日を法定休日と定めれば、土曜日に残業をしても割増率は、25%、日曜日に残業をすると割増率は35%となります。

 

なお、従業員と後々トラブルにならないよう、就業規則で休日の定めをするときに、法定休日が何曜日なのかをはっきり明記しておくようにしてください。

 

ちなみに、普通の日に時間外勤務をした場合は、割増率は25%、

深夜に時間外労働をした場合は、さらに25%が加算され、50%の割増になります。

 

 

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「振替休日」と「代休」の違い、ご存知ですか?

「振替休日」と「代休」の違い、ご存知ですか?

 

どちらも、従業員が会社の休みの日に働いた場合、代わりに勤務日を休みにしてくれるという点では、同じですが、残業手当の関係で大きな違いがあります。

 

振替休日は、本来の休日と勤務日を振り替えるというものなので、残業手当の割増分(会社の法定休日だと35%の割増)の支払い義務は、発生しません。

 

仮にその会社が日曜日が休みで、従業員が日曜日に働いたとしても、休日を事前に振り替えてあるので、その社員にとっては、日曜日は勤務日になるからです。

 

一方、代休は、休日労働の代償措置として、事後に他の労働日を休ませるというものなので、休日に働いたという事実は消せないので、休日労働の割増分(35%)の支払いが生じます

 

残業代は、代休で水曜日に休んでいるので、あくまで割増分だけの支払いになります。

 

残業手当の割増分の支払いを考えると、経営者にとっては「振替休日」、従業員にとっては「代休」が得ということになります。

 

振替休日を実施するには、就業規則で休日の振替制度を設け、手続きを規定し、最低でも休日労働させる前日までに振替日を労働者に知らせておかなければなりませんので、注意して下さい。

 

また、労働基準法で、「労働者には、最低4週間で4日の休日を与えなければならない。」と決められていますので、休日を振りかえる際、4週で4休の休みになるよう注意が必要です。

 

 

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「名ばかり管理職」には、残業代の支給が必要です!

多店舗展開している飲食業や小売業の店長には、残業代を支払わなくていいか?

 

労働基準法では、「監督もしくは管理の地位にある者」には、残業代は支払わなくていいことになっています。

 

日本マクドナルドも、店長は管理監督者になると考え残業代を支払っていませんでしたが、平成20年の裁判で負けてしまいました。

 

例えば、店長が

1 店舗のパートさんの採用や人事考課に関する権限、時間外労働の命令権などがなく

2 出勤・退勤時間の自由がなく、業務内容も一般の従業員と同じ

3 管理職手当をもらっているが、残業手当をもらっている部下と給与がほとんど同じ

  金額

 

などということであれば、「名ばかり管理職」として、管理監督性を否定され、労働基準監督署から残業代の支払いを命じられる可能性が高いと言わざるを得ません。

 

「名ばかり管理職」対策としては、

 

1 管理職を労働基準法上の要件を満たすようにして、残業代を支払わない

2 残業代を支払う

 

という二つの選択肢がありますが、1は組織や人事の面から、2は、残業代を別に支払うということになると、当然、人件費が上がってしまいますので、簡単にできる問題ではありません。

 

今まで支払っていた店長手当や管理職手当には、時間外労働に対する手当が含まれていたという前提で店長手当や管理職手当を見直し、未払い残業の請求をされたときのリスクを少しでも減らしておくことが必要です。

 

具体的なやり方は、次回ふれたいと思います。

 

なお、労働基準法上の管理監督者であっても、深夜労働に対する手当は支払わなければなりませんし、年次有給休暇も与えなければなりませんので、気を付けて下さい

 

 

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忙しくない時期の労働時間を減らしませんか -残業ゼロ作戦その3-

季節によって業務の繁閑があり、繁忙期には相当の時間外労働が生ずる一方、閑散期には勤務時間に見合うだけの仕事がないという場合、1年単位の変形労働時間制の活用を検討されてはどうでしょうか?

 

たとえば、デパートやスーパーなどは、お中元やお歳暮の時期は特に多忙ですが、2月や8月などは割と暇という風に、季節によって仕事の忙しさが相当違う業種がありますよね。

 

労働基準法では、1日の労働時間は8時間、1週間の労働時間は40時間以内と定められていますが、1年単位の変形労働時間制を使うと、特定の期間の労働時間を40時間より少なくすれば、忙しい週や日の労働時間を増やすことができます。

 

暇なときの労働時間を減らして、忙しい時の労働時間を増やすことができるので、効率的ですよね。

 

要は、1年間でならして、1週間の労働時間が40時間以内になっていればいいわけです。

 

ただ、1年単位の変形労働時間制を採用したからといって、全く残業代をはらわなくてもいいということにはなりませんし、労使協定を結んで届出をしなければならないので、その点はご注意ください。

 

 

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固定残業代と持ち帰り残業 -残業ゼロ作戦その2-

残業代を削減するには、どうしたらいいか?

 

残業をゼロにすれば残業代は、ゼロになりますが、残業代をゼロにしても残業がゼロになるとは限りません。この点については、おいおい触れていきたいと思いますが、

 

残業代を削減する合法的な方法としては、

 

1 残業代の定額支給、いわゆる固定残業代や役職手当・営業手当に残業代を含める

 

2 季節的に仕事に繁閑がある場合、1年単位の変形労働制を活用して不必要な早出・

  残業を抑制する

 

などなど、この他にもいくつか方法あります。

 

ただ、1の定額残業代や残業代を営業手当に含めるやり方で気を付けていただきたいのは、実際の残業代が定額支給の残業代を越えていた場合は、差額を必ず支給しなければならないということです。

 

残業代を定額で毎月、2万円支払っているから、実際の残業代が計算すると3万だったけど2万円しか払わないというのは、ダメです。

 

結局、実際の残業代がいくらなのか、毎月計算しなければならないので、定額残業制にしたからといって、給与計算の事務はあまり軽減されないことになります。

 

仕事を自宅に持ち帰ってさせる「持ち帰り残業」も危険ですので、ご注意ください。

 

持ち帰り残業だから必ずしも残業手当は払わなくてもいいとはなりませんし、なにより、会社のデータを社外に持ち出すことになるので、データの流失や漏えいの危険があります。

 

過去、お客の個人情報が入ったUSBを電車のなかに忘れたという事件もありました。

恐ろしいですね。

 

2の変形労働制は、仕事が季節によって波のあるときなどには、有効です。

次回は、変形労働制について、触れていきたいと思います。

 

 

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残業をゼロにするには、どうしたらいいか? -その1-

「うちの社員は、毎日、夜遅くまで頑張って仕事をしてくれている。」という話をきくことがありますが、遅くまで残業している従業員は、本当に会社に貢献しているのでしょうか?

 

もしかしたら、手際よくすれば定時に終わる仕事をダラダラやっている「ダラダラ残業」や、残業代が目当ての「生活残業」かもしれません。

あるいは、定時に帰りにくいためになんとなく残っている、「付き合い残業」の可能性もあります。

 

残業による長時間労働は、決してお得なことではありません。

 

残業代による人件費の高騰や残業に係る光熱水費などのコストに加え、長時間労働により従業員が疲れてしまい、生産性やモチベーションが低下し、逆に会社の業績が下がってしまうということも十分に考えられます。

 

従業員のメンタルヘルス疾患のリスクも心配もしなければならなくなります。

 

「うちは従業員にサービス残業をしてもらっているから、残業代を支給していないので、損はしていない。」というのであれば、もっと危険です。

 

例えば、解雇された従業員から請求があれば、時効の関係で2年分の残業代を支払わなければなりません

また、仮に訴訟になった場合、裁判所からの命令で未払い残業代と同額の「付加金」を支払わなければならないことになり、最大で倍返しになる可能性があります。

さらに、未払い残業代や付加金は、支払う際5%以上の利息がかかります。

 

賃金未払い残業のリスクは、かなり大きいと言えます。

 

残業代の削減や賃金未払い残業のリスクを回避するためにも、残業をゼロにすることがベストですが、残業をゼロにする取り組みによって従業員の生産性を向上させ、会社の利益を高めるということも、充分可能なことです。

 

残業をゼロにするには、具体的にどうすればいいか、望月建吾氏の「残業をゼロにする労務管理」の内容に沿って、次回、触れていきたいと思います。

 

 

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就業規則の作成は、何が一番難しいか?

就業規則の作成で、一番難しいことは何でしょうか?

 

それは、従業員に読ませることです。

 

会社に不満がない限り、従業員が真剣に就業規則を読むという

ことは、あまりありません。

就業規則は、会社に採用された時もぱらぱらと眺める程度で、

真剣に読むのは、従業員も社長も何か問題があったとき

                くらいではないでしょうか。

 

確かに普通の就業規則は、難しい用語ばかりが並んでいて、読んでいても面白くないですよね。

役所の雛形などを使って作った就業規則であれば、特にそうなります。

 

折角作った就業規則が、これではすごくもったいないですよね。

 

しかし、ここ数年、就業規則にこだわりを持ち、自分の考えを積極的に就業規則に書き込み、労務管理に活かしていきたいという社長が増えているようです。

 

従業員が興味を持って読むことができ、社長も労務管理に活かすことができる就業規則、それは、社長の本音が書かれた就業規則だというのが、「すごい就業規則!」という

本の著者の主張です。

 

社長がどんな働き方を従業員に望んでいるのかを従業規則で明確にしていくことは、確かに大事なことです。

 

では、就業規則にどう社長の本音を盛り込んで作っていくのか?

次回、ご案内したいと思います。

 

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日本一社員がしあわせな会社のヘンなきまり

会社の業績アップにつながる「就業規則」とはどのようなものか?と考えていたところ、ユニークな決まりを作って業績がアップし続けている会社があると聞き、その会社の創業者の方が出版された本を読んでみました。

 

「日本一社員がしあわせな会社のヘンなきまり」という本です。

 

岐阜県にある未来工業という電気設備資材の会社なのですが、そのユニークな「きまり」をざっとあげると、

 

・ホウレンソウの禁止

  よくわかっていない上司に相談するだけ、時間の無駄

・残業・営業ノルマ・命令の禁止

・出張に上司の許可は不要

・定年は70歳で全員正社員

・職員は、試用期間なしで採用(入ったその日から正社員)

・育児休暇は3年

・休みは有休を除いて140日

・正門に守衛を置かず、鍵もかけない

・会社への問い合わせ電話は、業務の女性が対応。営業マンは受信禁止

などですが、まだまだ色々あります。

 

意外だったのは、給料は成果主義ではなく、年齢とキャリアで決まっていること(いわゆる年功序列)です。

出せる給料には限度があるので、給料は世間並にして、労働時間を短くし休日を増やしたとのこと。

 

創業者曰く、「徹底した(商品の)差別化」と「社員のやる気の喚起」を行い、社員がやりがいを持って幸せに働ける環境を作ることにこだわった結果、社員が「この会社のためにがんばろう!」と思い、業績がアップし続けたということです。

 

そうは言っても、これだけ型破りなことをするのは、コストのかかる話もありますし、相当の勇気と決断が必要ですが、社員のやる気を喚起し業績アップさせたという事実は、真摯に受け止める必要があると思います。

 

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ワクワクする就業規則にしませんか

就業規則というと、すでにその言葉から、難しく、固いことばかりが書いてあるというイメージをお持ちの方が多いと思います。

法律上、就業規則には、従業員の賃金や休日、始業時間など最低書かなければならないことが決まっており、確かにこれだけだと面白みのないものになります。

 

就業規則に面白みなど必要ないと言われればそれまでですが、お金や労力をかけてせっかく作った就業規則をいざという時以外誰も見ないというのも、寂しい話です。

 

社会保険労務士の多くは、「会社や社長を守る就業規則」、「会社を成長させる就業規則」といううたい文句で、就業規則の作成をお手伝いしますと言っています。

確かに労務リスク回避の観点からは、就業規則に会社のルールをきちっと決めておくことは、最低限必要なことですが、プラスαで就業規則に何を書くかは会社の自由です。

 

例えば、「5回遅刻すると1日中はずかしい衣装を着て(全身タイツのようです。)業務をこなすべし。ただし、誰もその姿を見て笑ってはいけない。」という会社や「失恋休暇制度」、「バーゲン半休制度」などユニークな休暇制度を就業規則に設けている会社もあります。

 

ちょっとワクワクしてきませんか。

 

人員に余裕がなくて、そんなに休暇制度ばかり設けていくことはできないというご意見もあろうかと思いますが、会社の負担にならない範囲で、従業員がワクワク、ドキドキできる会社のオリジナリティーを何か盛り込んでいけると、従業員の働く意欲がアップするかもしれません。

 

就業規則を会社のイメージアップや、職員採用の際に優秀な人材の確保に使うことができれば、一挙両得です。

 

第1回「日本一大切にしたい会社」大賞を受賞した岐阜県の未来工業という会社は、

「社員を幸せにするから社員は頑張ってくれる」という理念のもと、「ホウ・レン・ソウ」や残業の禁止、全ての従業員が正社員などの独自のルールで、社員のやる気を引き出し、業績をあげているようです。

 

詳しい内容につきましたは、またアップしていきたいと思います。

 

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就業規則が必要な理由

就業規則は、アルバイトやパートなどを含め常時10人以上の従業員を使用している事業所ごとに作成して、労働基準監督署に届け出る必要があります。

この届出を提出しないと法的には30万円の罰金が科せられます。

 

しかし、就業規則を作成しなければならない理由は、届出しなければ罰せられるということだけでしょうか?

 

就業規則には、労働基準法で絶対に記載しなければならない事項があります。

賃金や休日、始業時間などに従業員の労働条件に関することです。

そういう意味では、就業規則は、その職場における会社と従業員の間の労働条件などのルールを決めたルールブックであると言えます。

 

また、その内容により、従業員を解雇することもできるものであり、まさしく会社と従業員にとっての「憲法」のようなものです。

 

「会社を守る従業規則」というフレーズが一時期はやっていました(今も流行っていますが・・)。

就業規則にしっかり記載しておくことで、いざというときに会社を守ることができるという考え方です。インターネットで就業規則のひな形をダウンロードしたり、同業他社の就業規則を手直しして作ったりということは、就業規則に書いてあるばっかりに従業員から逆手にとって訴えられたりという危険が生じます。

 

就業規則はこうした会社を守るという一面もありますが、労働条件以外のことでも、会社として必要だと思うことがあれば、自由に記載して構いません。

会社にとっては、創業者の思いや経営理念、経営戦略、人事方針等様々なものがありますが、就業規則にはそうした会社の思いをうたっていくことが可能です。

 

会社の経営方針をしっかりと従業員に伝え、経営者と従業員が共有できる目標を就業規則にうたっていくことで、従業員のインセンティブがアップする就業規則、そういう就業規則が利用だと思います。

 

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会社でケガをした従業員が病院へ行く場合の注意点

皆様の会社の従業員が会社で仕事中あるいは、通勤途中でケガをした場合、労災が適用されます。

正式には、労働者災害補償保険と言います。

 

けがをしたら、まず病院へ行き治療してもらうことになりますが、労災指定病院に行き、病院の窓口で必ず「労災で」と言うよう、けがをされた従業員に伝えてください。

労災だと病院での本人負担はゼロなのですが、何も言わずに窓口で健康保険証を出すと健康保険で処理され、本人が3割を負担することになります。窓口で健康保険証を出さないで下さいということも伝えておいたほうがいいでしょう。

 

労災指定でない病院でも労災の治療を受けることはできるのですが、その場合は、医療費の全額を本人が窓口で支払い、後日、労働基準監督署に給付請求書を提出し、支払った医療費の10割が本人に振り込まれることになるので、数回通院すると一時的な本人の負担がかなり大きくなる可能性があります。必ず、労災指定病院で治療するよう伝えてください。

 

病院の全てが労災指定を受けているわけではないので、事業所の近くの病院で、どこが労災指定を受けている病院なのかを事前に調べておくと、イザという時に便利です。

 

最近は、お薬を院外処方で薬局でもらう場合も多いかと思いますが、お薬代も労災が適用されますので、労災指定薬局でも忘れず「労災で」と言ってください。

 

また、病院でうっかり治療を健康保険で受けた場合、健康保険から労災保険に振り替える必要があります。治療が月をまたぎ、翌月になって労災保険に振り替えてほしいと言うと、病院は保険者に毎月、レセプト(診療報酬明細書)という書類を出して診療費の請求を行っているため、面倒なことになりますのでご注意ください。

 

最近は、従業員もインターネットなどで色々と調べており、こういう知識は詳しいので、労災申請をすると労働基準監督署ににらまれるからとか手続きが面倒臭いからという理由で、従業員に労災でなく健康保険で治療するようになどという指示はしないことです。

病院の待合のポスターにもありますが、労災隠しは犯罪です。

 

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新規採用職員の試用期間

試用期間は、入社後、正社員として本採用するまでに、職業能力や企業適応性などを見るために設けられた制度です。

 

採用前に1度や2度の面接をしただけで、その人の能力や適格性を見抜くのは、難しいものです。ですから、はじめてから正式の本採用をしないで、一定期間を定めて試しで雇ってみる試用期間を設けるのが一般的です。

 

試用期間というのは、従業員にとっては不安定な立場ですので、ずっと使用期間ということは許されません。必ず期間を定めてください。

 

試用期間の長さについては、労働基準法等で決まりは特にありません。3か月~6か月とするのが一般的ですが、14日~1年の範囲で就業規則に規定しておけば、特に問題になりません。

 

試用期間中の適格性をみて、本採用しないことにする場合、法律上は「解雇」になります。

経営者の中には、使用期間中の場合は「解雇」と認識されていない方もいらっしゃいますが、法律上は通常の解雇とあまり変わりません。使用期間中であっても、解雇の正当性が問われることになり、入社して14日を超えている場合は、労働基準法の解雇予告の手続きが必要となります。

 

試用期間中の従業員の解雇は省社員の場合に比べれば比較的認められやすいですが、特に理由もないのに使用期間が終わったから解雇するというのは認められません。このようなことを想定しているのであれば、最初から期間雇用として採用するようにして下さい。

 

試用期間中の解雇として認められるのは、採用時の面接などでは知ることができなかった事実が使用期間中に判明した場合などです。

 

止むを得ない事由により、使用期間中に働くことがでない場合や、期間中に適格性を判断できない場合などに備えて、使用期間の延長の規定を就業規則に盛り込んでおくほうがベターです。

 

なお、使用期間中でも労災保険や雇用保険、社会保険(健康保険・厚生年金)については、それぞれの加入基準を満たしていれば、本採用後ではなく最初に採用したときから加入しなければなりませんので、ご注意ください。

 

 

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ワクワクする就業規則にしませんか

就業規則というと、すでにその言葉から、難しく、固いことばかりが書いてあるというイメージを一般の方はお持ちだと思います。

 

法律上、就業規則には、従業員の賃金や休日、始業時間など最低書かなければならないことが決まっており、確かにこれだけだと面白みのないものになります。

 

就業規則に面白みなど必要ないと言われればそれまでですが、お金や労力をかけてせっかく作った就業規則をいざという時以外誰も見ないというのも、寂しい話です。

 

社会保険労務士の多くは、「会社や社長を守る就業規則」、「会社を成長させる就業規則」といううたい文句で、就業規則の作成をお手伝いしますと言っています。

 

確かに労務リスク回避の観点からは、就業規則に会社のルールをきちっと決めておくことは、最低限必要なことですが、プラスαで就業規則に何を書くかは会社の自由です。

 

例えば、「5回遅刻すると1日中はずかしい衣装を着て(全身タイツのようです。)業務をこなすべし。ただし、誰もその姿を見て笑ってはいけない。」という会社や「失恋休暇制度」、「バーゲン半休制度」などユニークな休暇制度を就業規則に設けている会社もあります。

 

ちょっとワクワクしてきませんか。

 

人員に余裕がなくて、そんなに休暇制度ばかり設けていくことはできないというご意見もあろうかと思いますが、会社の負担にならない範囲で、従業員がワクワク、ドキドキできる会社のオリジナリティーを何か盛り込んでいけると、従業員の働く意欲がアップするかもしれません。

 

就業規則を会社のイメージアップや、職員採用の際に優秀な人材の確保に使うことができれば、一挙両得です。

 

どうすれば「従業員がワクワク、ドキドキしてパワーが出る就業規則」というものができるか、これからも情報収集し、勉強していきたいと思います。

 

 

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3月中継続雇用の労使協定を!

改正高年齢者雇用安定法がいよいよ本年4月から施行されます。

 

4月の法施行に向けて、事業主の皆様は、3月中にしておかなければならないことがひとつあります。

 

それは、60歳で定年退職を迎え再雇用する従業員の基準を設け、その基準に関する労使協定を結んでおくことです。

 

これまでは、60歳で定年退職になる方を継続して再雇用する場合、継続雇用の対象者を限定することができました。

 

例えば、過去○年間の出勤率が○%以上であるとか、直近の健康診断の結果、業務遂行に問題がないなどの基準を設け、就業規則を改定し、労使協定を結んでおけば、再雇用を希望する従業員を全員継続雇用する必要はなかったわけです。

 

今回の改正により、60歳の定年時に継続雇用の対象となる労働者の基準を定めることはできなくなりました。再雇用を希望する者を全員、対象としなければならなくなります。

 

これは、本年4月以降に60歳になられる男性職員は、61歳にならないと特別支給の厚生年金がもらえないため、勤めていた会社に再雇用してもらわないと無収入になってしまうということが原因のようです。

 

ただ、経過措置として、3月31日までに労使協定で継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めておけば、定年退職される従業員が特別支給の老齢厚生年金を受給できる年齢になったとき、継続雇用制度の対象者を限定する基準を適用することができます。

 

具体的にいうと、今年の4月以降60歳で定年退職される方については、年金が支給される61歳になれば、継続雇用の対象者を適用される基準を使うことができるということになります。

 

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4月から障害者の法定雇用率が引き上げ

4月1日から障害者の法定雇用率が引き上げられます。

 

「障害者の雇用の促進に関する法律」で、事業主は雇用している労働者に占める身体障害者・知的障害者の割合を一定の率以上にするよう義務付けられています。

 

現在、障害者の法定雇用率は1.8%ですが、4月から2.0%に引き上げられ、障害者を雇用しなければならない事業主の範囲が従業員56人以上から50人以上に変わります。

 

これまでは、従業員が56人だと、56人×1.8%=1.008人となり、

従業員が56人いる企業は障害者を1人雇わなければならなかったのですが、

法定雇用率が2.0%に引き上げられたことにともない、50人×2.0%=1人で

従業員が50人以上の企業は、障害者を1人雇用しなければならないことになります。

 

従業員が50人以上の事業主さんは、毎年6月1日現在の障害者雇用状況をハローワークに報告しなければなりませんので、ご注意ください。

 

なお、障害者の法定雇用率が達成できなかった場合、常時雇用している労働者の数が

200人を超える企業は、障害者雇用納付金を納めなければならないことになっています。

 

逆に、法定雇用率を超えて障害者を雇用している場合は、従業員が200人を超える企業には「障害者雇用調整金」が、従業員が200人以下の企業には、報奨金が支給されることになっています。

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平成25年度雇用保険料率は据え置き

平成25年4月1日からの雇用保険料は、平成24年度の雇用保険料と同率で変更なしとなりました。

 

従って、雇用保険料は、一般の事業で      13.5/1,000

           農林水産業、清酒製造業 15.5/1,000

           建設業         16.5/1,000

 

このうち、事業主負担分は、一般の事業で     8.5/1,000

           農林水産業、清酒製造業  9.5/1,000

           建設業         10.5/1,000

 

となります。

 

事業主は雇用保険二事業分を全額負担しているので、被保険者より負担割合が大きくなります。雇用保険二事業とは、労働局からの助成金などの事業です。助成金のおおもとは、事業主の皆様からの保険料が財源となっていますので、助成金の対象となるものがあれば、積極的に申請し受給していきたいですね。

 

なお、平成22年4月より、雇用保険の適用範囲が拡大されていますので、お気をつけください。

従来は、1週間当たりの労働時間が20時間以上で、6か月以上雇用見込がある者が被保険者となりましたが、平成22年度より、1週間当たりの労働時間が20時間以上で、31日以上雇用見込のある者は雇用保険の被保険者となります。

 

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「自然退職」という規定を設けておきましょう!

従業員がケガをしたり病気にかかったりして、会社に連続して出勤できない場合に備えて、就業規則で休職について定めおくべきという話をしてきましたが、休職期間が満了しても病気やケガが治癒せず復職できない場合、就業規則にどのように定めておけばいいでしょうか?

 

病気やケガで休職している場合、休職期間満了前に傷病から回復していれば「復職」、回復せずに休職期間満了となれば「退職」となりますが、病気が回復せずに復帰できない場合、

就業規則には「解雇」と受け取られるな規定をしないようにしてください。

 

解雇ということになると、解雇予告手当など解雇に伴う色々な問題が生じてくるからです。厚生労働省から助成金を受けている場合、助成金の返還という心配も出てきまし、御社のイメージダウンにもなりかねません。

 

このため、就業規則には、「休職期間が満了しても休職事由が消滅しない場合は、休職期間の満了をもって退職とする(自然退職・自動退職)」という規定にしておくのが一般的です。

 

休職期間が満了しても、病気が治らず業務遂行能力がないので自動的に退職とするというもので解雇にはあたりません。

 

このように規定しておくと会社からハローワークに雇用保険の離職証明書を提出する際も、離職理由が「採用又は定年後の再雇用時等に定められた雇用期限到来による離職」となり、解雇したということにはなりません。

 

 

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復職の判断

病気やケガで休職している従業員の休職期間が満了した場合、その従業員を復職させるのか、自然退職とするのか、会社は判断をしなければなりません。

 

勿論、休職期間満了前に傷病から回復(治癒)していれば復帰となりますが、回復せずに休職期間満了となれば自然退職となります。

 

復職の要件となる「治癒」は、原則として「従前の職務を通常の程度行える健康状態に復したとき」とされています。従って、病気はほぼ治ったが仕事ができないようであれば、復職を認めないことができますが、休職前と同じ負荷の仕事はできないが、しばらく軽易な業務に就かせれば、ほどなく通常の業務に復帰できるようであれば、会社側が配慮しなければならない場合もあります。

 

復職の可否は、会社が最終的に決めるものなので、実際に従業員が就労可能な状態まで回復したかどうかは、会社側で十分調査し、判断することが必要です。

 

復職の際には、病気が本当に治ったのか、医師の診断書が重要な参考資料になります。ただ、診断書には一般的に短い文章で「復職可能なまで回復した」ということまでしか書かれていないことが多く、病気は大体治ったが、本当に勤務が可能なまでに回復したのか、判断に困ることが多いようです。

 

診断書を書いた医師も、その従業員が会社でどんな仕事をしているのか、会社の仕事の内容を完全に把握したうえで診断書を書いているわけではないようです。

 

会社側としては、診断書を発行した医師と面談し事情を聴取したり、会社指定の医師の診断を受けさせるなどの対応が必要となります。

 

休職していた従業員が本当に復職可能か、診断してくれる医師を会社側としては、あらかじめ探しておくことが大事です。

 

復職可能かどうかの最終判断は、あくまで会社で行ってください。

 

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休職期間を設定するときの注意点

従業員がケガをしたり病気にかかったりして、会社に連続して出勤できない場合に備えて、就業規則で休職について定め、その際は休職期間の長さに気をつけてくださいという話をしましたが、御社で何度も休職を繰り返す従業員はいませんか?

 

例えば最長1年間の休職期間が設定されている場合、11か月間休職し、復職して1週間ほど出社して、また11か月休むといったケースです。

 

これは、就業規則に休職期間の通算規定がないため、就業規則の不備を悪用されている可能性があります。

復帰後、同一ないし類似の事由で一定期間内に再び休職した場合は、休職期間を通算する旨を就業規則に明記しておいてください。

 

「同一ないし類似」の事由というのは、例えば精神疾患で休職している場合、はじめの医師の診断書の病名が「適応障害」、再び休職した際の病名が「急性ストレス障害」だった場合、表現は違いますが同じ症状の病気と考えられるからです。

 

休職している従業員が会社にとって特にかけがえにない従業員で、規定どおりの休職期間が到来して退職ということが忍びないという場合があるかもしれませんので、「会社が特に認める場合は休職期間を延長することがある。」という延長規定を入れておくのもよいでしょう。

 

このほか、トラブル防止の観点から、病気で休職する場合は、休職する従業員は医師の診断書を提出しなければならない旨も規定しておいてください。医師の診断書の料金は会社が負担するのか従業員が負担するのかも決めておいたほうが、後々トラブルとならないのでいいでしょう。

 

休職期間中は、勤続年数に入れるのかどうかについても決めておいてください。休職期間は、働いていないので原則、勤続年数に算入しないとすることをお勧めします。

 

 

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御社の休職期間、長くないですか?

従業員がケガをしたり病気にかかったりして、会社に連続して出勤できない場合に備えて、就業規則に休職についての規定を定めてありますか?

 

従業員の勤続年数に応じた休職期間を設定してある場合が多いようですが、

例えば、勤続3年未満場合は、休職期間6か月

    勤続3年~10年  休職期間1年

    勤続10年以上   求職期間2年

と規定としてあった場合は、どうでしょうか。

 

中小企業で、従業員が会社を2年休職した場合、残りの社員で2年間仕事も仕事のやりくりが可能ですか?やりくりが難しければ代わりの従業員を雇うしかありませんが、2年間休職していた社員が復職すると、今度は補充した従業員の分だけ、人件費が増加してしまいます。

 

休職期間は、このようなリスクが生じることを念頭において定める必要があります。

 

休職期間中の従業員は、働いていませんので、会社はノーワークノーペイで休職している従業員に給料を支払う必要はありません。

じゃあその間、休職している従業員の生活はどうなるのかというと、健康保険に加入されている会社であれば、従業員が病気やケガで働けない場合、健康保険から会社を休んでいる従業員に傷病手当金が支給されます。

 

勿論、申請をしないと傷病手当金は支給されませんが、給料の3分の2の額が支給されます。この傷病手当金は、支給期間が1年6月と定められています。

 

従業員が会社を休んでいても、給料3分の2の額の傷病手当金が1年6月支払われることを考えると休職期間は長くても1年6月にすべきかと思います。

なお、休職している条業員に給与を支給しても、その分は傷病手当金が調整減額して支給され、給与の負担損になりますので、ご注意ください。

 

休職期間が1年6月というのは、休職期間は最長でも1年6月とすべきではということですので、会社の規模によっては休職期間は6月でも十分でしょう。

 

会社にとっては、休職期間は短ければ短いほどリスクが減りますが、労働基準法の解雇予告の規定(原則、解雇するには30日前の予告が必要)とのバランスから、最低でも30日以上としておくのが無難です。

 

 

 

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入社1か月の社員に育児休業は与えないといけないか?

入社1か月目の女性従業員が出産のため、産前産後休暇と育児休暇を請求してきた場合、は休みを与えなければならないでしょうか?

 

従業員が以下に該当する場合、休みを与えないことができます。

 

    入社1年未満の場合

    申出の日から1年以内に雇用関係が終了することが明らかな場合

    1週間の所定動労日数が2日以下の場合

 

せっかく新人教育をして、さあこれからという時にいきなり育児休業をされても困るので、入社1年未満の従業員に育児休業を与えないことができるというのは、納得できる措置です。

 

ここで気をつけていただきたいのは、

①~③について、就業規則に育児休業の適用除外者としてきちっと記載しておくということと、この適用除外について「労使協定」を結んでいただいておくということです。

労使協定を結んでおかないと、入社1年未満の従業員にも育児休業を与えなければならなくなるので、ご注意ください。

 

なお、1日の所定労働時間が6時間以下の労働者は、法律上、育児休業の適用除外となっていますので、労使協定の締結は不要です。

 

また、育児休業は労使協定を締結しておけば与えなくても大丈夫ですが、産前産後休暇は、請求があれば必ず与えなければなりませんので、ご注意ください。

 

いきなり産休や育児休業はけしからんと言って、産前産後休暇または育児介護休暇等の申出をしたことなどを理由に、解雇などの不利益な取扱いをすることや、産前産後休業の期間及びその後30日間の解雇は、法律上禁止されていますので、併せてご注意ください。

 

 

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女性従業員に関する法律上の決め事

女性だからという理由で働き方に制限を加えることができないというのが原則ですが、妊娠している女性を中心として子育てや介護が必要な従業員に対し、様々な制度があります。主なものを紹介しますので、ご留意ください。

 

1 生理休暇

   女性従業員が生理を理由として休暇を申し出た場合は、休暇を与えなければなりません。請求があった時間、就業させなければ問題はありません。生理休暇を与えた時間は、賃金の支払をしなくても大丈夫です。

 

2 産前産後休暇

子どもの生まれる予定日の6週間前からは、女性従業員の申出があった場合は、休暇を与えなければなりません。また、産後8週間は、本人の希望にかかわらず働かせることはできません。ただし、産後6週間を過ぎ、本人が働くことを希望し医師が許可した場合は、働くことができます。この休暇についても、無給とすることができます。

 

3 一歳未満の子どもを育てる場合の休暇

   一歳未満の子どもがいる女性従業員が請求した場合は、1日2回、1回30分育児のための時間を与える必要があります。この時間は、始業時間、終業時間と隣接していてもかまわないので、結果として始業時刻を1時間遅らせることも可能です。この時間も無休で構いません。

 

4 育児休業

   従業員に満一歳未満の子どもがいる場合は、本人の申出により子が一歳になるまで、育児休業を与える必要があります。また、子どもが保育所に入れないなどの一定の要件を満たしている場合は、1歳6か月まで延長することができます。

   父親と母親が一緒にもしくは交互に育児休暇をとる場合は、父親、母親ともに最大1年間で、かつ子どもが1歳2か月になるまで休業することができます。

 

5 その他

   上記1~4のほか、

   ・短時間勤務制度   

     三歳未満の子を養育する従業員が希望すれば、1日の労働時間を6時間としなければならない

   ・所定外労働の制限

     三歳未満の子を養育する従業員が希望すれば、時間外労働をさせてはいけない

   ・子の看護休暇

     小学校就学前の子どもがいる従業員が子の看護を理由に会社に申し出た場合は、

     子の看護のための休暇を与えなければなりません。

     日数は、年5日です。

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育児休業中の助成制度

女性従業員が出産して、その後育児休業される場合、以下のような支援措置があります。、手続き漏れのないようご注意ください。

 

1 育児休業給付

   雇用保険の被保険者が1歳(保育所へ入所できないなど一定の場合は1歳6か月)に満たない子を養育するために育児休業した場合、一定の要件を満たすと育児休業給付の支給を受けることができます。

   支給額は給与の50%です。

   なお、育児休業期間中に事業主から賃金の支給がある場合は、以下のとおりになります。

    賃金を30%支給     育児休養給付金は50%支給

    賃金を30~80%支給  賃金の80%から休業中に支払われる賃金を控除

                 した金額を育児休業給付金として支給

   育児休業中に賃金を全く払わなければ、育児休業給付金が給与の50%支給され、賃金を30%支払っているのであれば、休業中の従業員は給付金50%+賃金30%で8割の所得が保証されることになります。

 

2 育児休業中の社会保険料の免除

   事業主の方が年金事務所又は健康保険組合に申し出ることによって、育児休業中の保険料が事業主負担分及び被保険者本人負担分ともに免除されます。

   社会保険料の免除を受けていても健康保険の給付は通常どおり受けることができますし、免除期間分も将来の年金に反映されるようになっています。

 

3 育児休業後の社会保険料の特例

   育児休業が終了した後、給与が低下した場合は、申出により社会保険料が改定され、

  安くなります。

   納める社会保険料が少なくなるということは、将来もらう年金の額がすくなくなるのではという懸念があると思いますが、将来の年金額は、給与が下がる前の給与で計算されることになっています。

 

育児休業中は、雇用保険から給与の半分の助成金が本人に支払われ、社会保険料も労使ともに免除になるということです。仮に育児休業中に給与を支払うのであれば、給与の30

%までにとどめておいてください。

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出産する女性を辞めさせたら損です!

女性従業員が妊娠して、出産することとなった場合、本人の申出により産前6週間は産前休暇、産後8週間は本人の申出に関係なく産後休暇をあたえなければなりませんが、本人から出産を機に退職したいという申し出があったとき、本人の希望どおり退職してもらっているということはありませんか?

 

確かに妊娠した従業員が産前・産後休暇をとり、その後1年間育児休業をされると、従業員の少ない会社では、残された社員で産休中の職員の仕事をカバーするのはかなり厳しいことになります。従って、出産される従業員に退職の希望があれば、辞めてもらって新しい職員を採用したいとこなのでしょうが、新たに職員を採用するということになると、採用コストが生じるということを念頭においておかなければなりません。

 

新たに職員を採用するには、お金の面は勿論、御社が望む社員が採用できるかという心配や、仮に採用できても採用後の訓練教育にかかるコストや労力を考えると、出産される職員が休んでいる間だけ代替で職員を雇い、子育てが終了後は復帰してもらうという選択肢も考慮すべきでしょう。

 

社会全体で子育てを支援していこうという流れの中で、出産や出産後の育児休暇については行政の支援措置が拡充されてきています。出産される職員を辞めさせることなく、行政の支援措置をうまく利用していきたいものです。

 

なお、産前産後休暇中及びそのご30日間は、労働基準法の定めにより、解雇することができませんのでご注意ください。

 

産前・産後期間中には、以下の助成措置がありますので、手続き漏れのないようご注意ください。

 

1 出産育児一時金

 健康保険や国民健康保険などの被保険者又はその被扶養者が出産したとき、出産に直接要する費用や出産前後の健診費用等の出産に要すべき費用の経済的負担の軽減を図るため、一児につき42万円が支給されます。

 なお、妊婦などが、加入する健康保険組合などに出産育児一時金の請求を行う際、出産する医療機関等にその受け取りを委任することにより、医療機関等へ直接出産育児一時金が支給されるため、退院時に窓口で出産費用を支払う必要がなくなります。

 

2 出産手当金

 健康保険に加入している人が、出産のため会社などを休み、その間給料が支給されない場合や減額された場合、分娩の日以前42日目(多胎児の場合は98日目)から分娩の日の翌日以後56日までの範囲内で会社を休んだ期間について支給されます。(分娩の日が分娩予定日より遅れた場合は、その日数分も受け取れます。)
 出産手当金は、1日につき標準報酬日額の3分の2に相当する額が支給されます。(会社を休んだ期間について、事業主から報酬を受けられる場合、その額を控除した額が手当金として支給されますが、出産手当金より多い報酬が支給される場合は、手当金は支給されません。)

 

御社が健康保健に加入しているのであれば、出産される従業員には、出産育児一時金として42万円プラス給与の3分の2が出産手当金として本人に支給されますので、お休みしている社員も安心して出産できるということになります。

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育児・介護休業法の改正について

「改正育児・介護休業法」が昨年の7月から、従業員が100人以下の中小企業にも適用されるようになり、新たに以下の3つを行わなければならないことになっています。

 

①3歳未満の子どもを育てている従業員が申し出た場合は、1日の労働時間を6時間に短縮しなければならない(短時間勤務制度)

 

②3歳未満の子どもを育てている従業員が申し出た場合は、残業させてはいけない(所定外労働の制限)

 

③要介護状態にある家族が1人いれば年5日、2人いれば年10日の介護休暇を従業員が取得できるようにしておかなければならない(介護休暇の新設)

 

注意していただきたいことは色々とありますが、①と②については、「従業員が申し出た場合にはしなければならない」ということです。逆に言うと申し出がなければしなくてもいいということになります。

勤務時間が8時間から6時間に短くなれば、給料は時間に応じて少なくすることが可能ですので、経済的な理由で短時間勤務や時間外労働の制限を望まない従業員がいるかもしれません。

 

③については、従業員が1年間に93日取得できる「介護休業」とは別物なので気をつけてください。介護休暇は、介護サービスの手続きを親に代わってしたり、病院へ付き添ったりするための短期間の休暇制度です。

 

子どもを持った労働者が8時間労働から6時間労働になり、繁忙期に時間外労働もできないということになると代替要員が必要になり、経営コスト上厳しい問題ですが、就業規則をきちんと直して、従業員に説明しておかないと後々トラブルの原因ともなりかねませんので、十分な対応が必要です。

 

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BCPって何?

BCPという言葉をお聞きになったことがありますか?

BCPとは、Businessontinuitylan の略で、日本語に訳すると「事業継続計画」になります。

震災などの大規模災害や台風、感染性ウイルスによる疫病の流行などの突発的な危機状況に備え、企業でもお役所でも、当然、震災に備えた危機管理をしておかなければなりません。

そこで登場してくるのが、BCPです。

震災などの緊急事態に遭遇した場合、事業を継続し、速やかに復旧が図れるよう 前もって計画をたてておくのです。

計画を立てるにあたっては、

 1 まず、被災直後に行うべき従業員や顧客の安全確認・安全確保の方法と被災時の体  

制を決めておきます。

 2 次に、被災した直後に、どの事業・どの仕事を継続して行うのか決めておくことが
   重要です。当然、被災する前に行っていた事業・仕事を100%できるわけはない  

ので、重要度を考え、どの事業を継続し、どの事業をストップするのかを決めておくのです。

 

3 次のステップが事業の復旧になります。いろいろストップした事業のなかで、どの事業から復旧していくのかを決めておきます。

BCPの知名度はまだ低いようですが、震災に限らず、台風などの自然災害や三年前に流行した新型インフルエンザなど、事業の継続を脅かす危険は、種々あるので、事業継続計画を策定しておくことは、大変大事なことだと思います

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パワハラは労災認定されるか?

一昨年末、国は、「心理的負荷による精神障害の新しい労災認定基準」を策定し、昨年1月には、職場におけるパワーハラスメントの定義を公表しました。

心理的負荷による精神障害とは、過度のストレスによる精神障害、例えば、パワハラなどで「うつ病」などになった場合などのことを想定しており、こうした場合は、労災の対象になるということです。

労災の対象となるという微妙な言い方をしたのは、労災の認定をするのが労働基準監督署だからで、認定されるには、以下の3つの要件を満たしていなければなりません。

 対象となる疾病を発病していること
 発病前6か月の間に、業務による強い心理的負荷(ストレス)があったこと
 業務以外の心理的負荷及び個体的要因により発病したと認められないこと

要するに、業務によるストレスで発病していて、それが業務以外のプライベートな要因で発病したのではないといくことが認定の要件だということです。

ちなみに、職場でのいじめやパワハラが病気になる6か月以上も前からあった場合は、その点も考慮して認定されることになっています。

精神障害による労働災害の申請は、平成22年度、全国で1181件ありました。
このうち、業務上の疾病と認定され労災保険が給付されたのは、308件で全体の29%でした。

石川県は、申請が2件で、2件とも労災保険が支給されました。

この結果をどう評価するかは、難しいところですが、精神障害による労災申請は今後も増加することが予想されます。


労災の認定に関しても、国はパワハラの定義づけを行い、労災認定基準の見直しを行っていることから、今後、認定率が高くなっていくのではと思います。

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退職証明書発行時の注意点

御社では、会社を退職された方から、退職証明書を発行してほしいという請求を受けたことがおありではないでしょうか?

 

退職証明とは、字のごとく、御社に勤めていて辞めたという証明ですが、退職者がこの証明書を請求する理由はおおよそ以下の3つです。

①新しい次の職場で求められる場合

②健康保険から国民健康保険に切り替える際に、市町村から提出を求められる場合

③配偶者の扶養になる場合で、配偶者の職場から提出を求められる場合

 

②や③の場合であれば、前の職場を本当に辞めているのか、辞めているのであればいつ辞めたのかというという証明が必要となります。

退職辞令を交付しているのであれば、退職辞令で事足りる場合もあります(③の場合など)

 

退職証明書の請求があった場合は、これを拒むことはできませんので、速やかに退職証明書を交付してください。

 

退職証明書を発行される際、気をつけていただきたいのは、退職者が請求していない事項を記入してはいけないということです。請求のあった事項についてのみ証明してください。

 

ちなみに、退職証明書の証明事項は、以下のとおりです。

(1)使用期間(勤続年数)

(2)業務内容

(3)役職

(4)給与

(5)退職の理由

 

退職者が新しい職場から退職証明書を求められている場合は、(1)以外にも証明が求められそうですね。

 

決められた書式はありませんので、会社であらかじめ書式を定めておくといいでしょう。

 

 

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退職される職員の事務手続き

会社を辞められる従業員は、退職後、次の就職先が決まっていなければ、収入もなくなりいろいろ不安があります。会社でも退職される従業員から、「退職後、失業手当や健康保険、年金や税金などはどうすればよいか?」という相談を受けることも多々ありますし、相談を受けなくても、会社として進めておかなければならない手続き等があります。

 

従業員の退職に伴う会社の事務手続きとして、

 

    退職時の証明

    雇用保険関係の書類の作成と役所への提出

   雇用保険被保険者資格喪失届、雇用保険被保険者離職証明書

    健康保険・年金関係の書類の作成と役所への提出

   健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届

などがあります。

 

勿論、ここにあげたものがすべてではなく、退職辞令の交付や社員証の返還など、種々の事務があります。

 

ただ、会社を辞められる従業員から、「退職後、失業手当や健康保険、年金などはどうすればよいか?」という相談を受けた場合、「退職した従業員は、会社にはもう直接関係ないし、手続きもよくわからないから」と言わずに、できる限り丁寧に対応してください。丁寧に対応していただくことで、退職する従業員との間に妙なしこりも残さず、円満な退職につながり、会社の風評被害の心配もないからです。

 

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定年退職し再雇用する方の給料はどうすればよいか?

4月から、60歳で定年退職する人が再雇用を希望した場合、再雇用する人の給与はどうすればよいか?ということについて考えてみました。

2012年度に定年退職される方は、60歳から年金が一部もらえますが、2013年度に60歳で定年退職する人は、61歳になるまで年金がもらえないので、再雇用するときの給与は、その点を考慮しないといけません。

「退職後の給与を退職前の給与の6割にするとよい」とよく言われていますが、これは、従業員の給与を6割に減らしても、実質、従業員の収入は、そんなに変わらず、会社の負担が減るからです。

ただ、これはあくまで、従業員が60歳から年金を一部もらえる場合の話です。

具体的に、どういうことかというと

2011年度に60歳になって2012年度から再雇用される人の場合、
60歳になると特別支給の老齢厚生年金の一部(報酬比例部分)がもらえます。

この人の年金が、月6万円、退職前の月給が30万円、退職前1年間のボーナスが
48万円とした場合、

退職後も、退職前と同じ給料、ボーナスがもらえるとすると年金の一部が支給停止
されます。(停止された分は、後でもらえるということはありません)

具体的には、

  (月給30万+4万(ボーナス48万÷12)+年金6万-28万)×1/2
  =6万円が支給停止されます。

つまり、給与30万円+年金6万円-支給停止6万円=30万円
 
年金が全然もらえず、前といっしょいうことになります。

退職後の給与を18万円、ボーナスはなしとした場合

 (月給18万円+4万円+年金6万円-28万円)×1/2=0円

年金は、支給停止されません。
 
さらに、退職後の給与が退職前の給与の61%以下なので、高年齢雇用継続基本給付金が15%支給されます。  
 
 18万円×0.15=2.7万円

そうすると退職後の収入は、
 給与18万円+年金6万円+給付金2.7万円=26.7万円

再雇用される方の月入は、3.3万円減りますが、退職前の給与に近い金額をもらうことができ、会社が払う給与は、30万円から18万円と12万円も会社の負担が減ります。

再雇用される社員が年金を一部でももらえると、うまく制度設計ができるのですが、
2013年度以降は、退職された社員がしばらく年金ももらえないので、こううまくいきません。
 
退職前の給与の6割を払い、残りは在職老齢年金と高年齢者雇用継続基本給付金というわけにはいかなくなるので、今後再雇用する方の給料をどうするか、非常に難しい問題です。

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改正高年齢者雇用安定法が4月から施行!

高齢者雇用安定法が昨年改正され、いよいよ本年4月から施行されます。

 

希望すれば誰もが60歳以降も働けるというのが売りのようですが、改正法の運用指針の発表が遅れたため、石川労働局では、精度の周知に奔走しているとのこと。

県内企業も約半数が改正に未対応のようです。


現在、高齢者の雇用に関しては、厚生年金の支給開始年齢の引き上げにあわせ、企業は
 
 定年の引き上げ
 継続雇用の実施
 定年の定めの廃止

のいずれかの措置を講じなければならないとなっています。

現実的には、の継続雇用を採用し、労使協定で再雇用の基準を定め、基準に合致する
従業員を再雇用しているところが多数です。

つまり、基準に合致していない従業員は、再雇用しなくてもいいということなのですが、
今回の改正は、この基準を廃止し、希望者はすべて再雇用しなければならないというものです。

政府がこうした改正をしようとしている理由は、

2013年度に60歳になる1953年度生まれの人(昭和28年4月2日~昭和29年3月31日生まれ)は、61歳になるまで年金がもらえないので、60歳で会社を辞めてしまうと61歳になるまでの1年間無年金で生活ができなくなるからです。
 (こうなることは、以前からわかっていたことですが・・)

ちなみに
  昭和36年4月2日以降生まれ  
    65歳から厚生年金報酬比例部分が支給、定額部分は65歳から支給

  昭和34年4月2日~36年4月1日生まれ  
    64歳から厚生年金報酬比例部分が支給、定額部分は65歳から支給

  昭和32年4月2日~33年4月1日生まれ  
    63歳から厚生年金報酬比例部分が支給、定額部分は65歳から支給

  昭和30年4月2日~32年4月1日生まれ  
    62歳から厚生年金報酬比例部分が支給、定額部分は65歳から支給

  昭和28年4月2日~30年4月1日生まれ  
    61歳から厚生年金報酬比例部分が支給、定額部分は65歳から支給

  昭和24年4月2日~28年4月1日生まれ  
    60歳から厚生年金報酬比例部分が支給、定額部分は65歳から支給

  昭和22年4月2日~24年4月1日生まれ
    60歳から厚生年金報酬比例部分が支給、定額部分は64歳から支給

となっています。

改正前の法律は、2012年度までは、企業は、再雇用を希望する従業員が労使協定で
定める基準を満たしていれば64歳まで、2013年度からは1歳引き上げ65歳までの雇用を義務づけています。

これは、2012年度までは60歳で会社を定年退職しても、厚生年金の一部(報酬比例部分)が 支給されるので、とりあえず無年金になることがないからという判断です。

今回の法改正により、60歳で定年退職した人が再雇用を希望した場合は、厚生年金の一部が支給される年齢までは無条件で再雇用し、厚生年金が支給される年齢になってからは、労使協定で定める基準を満たしていれば再雇用するということになります。

具体的にいうと、2013年度に60歳になる人は、厚生年金の報酬比例部分が支給される61歳までの1年間は、無条件で再雇用され、61歳になった次の1年は、労使協定で定める基準を満たしていた場合、再雇用ということになります。

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懲戒解雇は解雇予告手当が不要?

事業主が労働者を解雇する場合、原則的に30日前に解雇予告をするか30日分の平均賃金である解雇予告手当を支払う必要があります。
解雇は、使用者が労働契約を一方的に解約するものであるため、突然の解雇により労働者が生活に貧窮することのないようとの配慮から、このような解雇予告手当の支払いが義務付けられています。

懲戒解雇でも、即時に解雇しようとする場合は、原則として解雇予告手当の支払いが必要となります。

解雇予告手当を支払うことなく即時に解雇ができるのは、「天災事変その他、やむを得ない事由で事業の継続が不可能となった場合、または労働者の責めに帰すべき事由がある場合で、労働基準監督署長の認定を受けた場合」です。

「労働者の責めに帰すべき事由」は、懲戒解雇の場合全てにあてはまるわけではありません。事業場内における窃盗・横領・傷害等刑法犯に該当する行為があった場合、賭博・風紀紊乱等により職場規律を乱し他の労働者に悪影響を及ぼす場合、雇入れの際に経歴詐称した場合、他の事業場へ転職した場合、2週間無断欠勤し出勤の督促に応じない場合、出勤不良または出席常ならず数回にわたって注意を受けても改めない場合と通達により基準が示されており、かなり限定的に運用されているのが現状です。

懲戒解雇を行うには、就業規則に具体的にどのような場合に懲戒解雇となるかを定めておく必要がありますが、会社の就業規則の基準では懲戒解雇であっても、労働基準監督署が必ずしも「労働者の責めに帰すべき事由」として解雇予告手当を除外認定してくれるわけではありません。

解雇予告手当を支払うことなく懲戒解雇を即時に行いたい場合は、事前に労働基準監督署に解雇予告手当除外認定の申請をして下さい。認定審査期間は通常2週間程度で、その間に労働者からも意見聴取し、解雇事由の確認、悪質性の度合等を総合的に判断した上で、認定・不認定が決定されます。
審査では証拠が厳しくチェックされますので、客観的に解雇事由を証明できる書類等はできるだけ多く提出しておく方が良いでしょう。
なお、この除外認定が決定される前に即時解雇の通知を出してしまうと、理由の如何に関わらず解雇予告手当の支払義務が発生してしまいますので、必ず事前に手続を済ませておいて下さい。

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採用選考時の健康診断書の提出について

「労働安全衛生法」という法律で、事業主は常時使用する労働者を雇い入れる際の健康診断をはじめ、年に1回定期健康診断を行うよう義務付けられています。

 

では、従業員の採用選考時に健康診断書を提出させることは、特に問題はないでしょうか?

 

労働安全衛生法で定められている「雇入時の健康診断」は、従業員の採用選考時の健康診断を規定したものではなく、入社後の従業員の健康管理や会社での適正配置を目的として行う健康診断なので、職員の採用を決定するために実施されるものではありません。

 

厚生労働省でも差別のない公正な採用選考に向けて、採用選考時の身元調査や道理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断は行わないよう、企業に理解と協力を求めています。

 

そうは言っても、会社側としては、これから働いてもらう従業員がきちっと職務を遂行できるのか、その健康状態を採用決定前に把握しておくのは、当然のことと言えます。

そういった観点から、採用選考時に提出してもらう健康診断の項目は、入社後、実施しなければならない労働安全衛生法の健康診断の項目(エックス線検査など11項目あります)としておくのが適切です。

 

採用内定後に提出してもらった健康診断の結果、採用内定時や面接時にわからなかった病気が発見され、就労が無理と判断された場合は、採用内定の取消しということも考えなければなりません。

 

なお、事業主には従業員を雇い入れた後、エックス線検査など法律で定められている11項目について、健康診断を実施することが義務付けられていますが、「医師による健康診断を受けた後、三月を経過しないものを雇い入れる場合において、その者が当該健康診断の結果を証明する書面を提出したときは、当該健康診断の項目に相当する項目」については、雇い入れ時の健康診断の検査項目から除外することができるとされています。

 

従業員を採用する際、法律で定められている雇入時の健康診断と同じ検査項目で健康診断を受けてもらい、採用前に新しく雇う従業員の健康状態を確認しておくことが大事です。

 

 

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職員採用時に必要な書類

従業員の採用を決定した後、新たに入社する社員からいろいろな書類を提出してもらう必要があります。

 

雇用保険や社会保険の加入手続き、税制上の手続き、給与の振込、通勤手当の計算などが事務手続き上必要になりますが、新たに入られる従業員の住所に関する書類は、どのようにされていますか?

 

通勤手当の計算上も、また本当にそこに住んでいるかを確認する意味でも、住所に関する証明書類が必要になりますが、その際は「住民票記載事項の証明書」を提出してもらうようにして下さい。

戸籍謄本や戸籍抄本、住民票は採用者の門地、社会的身分に直結する事項であり、労働条件の差別的取扱いにつながる可能性があるからです。

 

また、従業員の入社にあたっては、「誓約書」を提出させることをお勧めします。

誓約書には、履歴書や職務経歴書、面接時の発言等が真実である旨の内容を入れておいてください。

昨今は情報の漏えいが問題になることも多いので、機密の保持や個人情報保護に関する誓約書も提出するようにしておくといいでしょう。

 

なお、書類の提出期限は5日以内とすることをお勧めします。書類の提出期限を2週間後などとすると厚生年金等の社会保険の手続きは入社後5日以内に行わなければならないのに、間に合わなくなるからです。

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従業員に損害賠償を請求できるか?

従業員が業務中に会社に損害を与えることがあります。例えば、会社の車を運転中に車を擦って傷をつけてしまった。操作を誤って、会社の機械を壊してしまった。飲食業などでは、食器を洗っているときに、滑らせて割ってしまったなどなど色々考えられます。

労働基準法では、「損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」と賠償予定を禁止しています。従って、損害賠償額を明示することはできませんが、損害賠償を請求することを禁止しているわけではありません。あらかじめ、こうした損害を会社に与えた場合は、〇〇円損害を賠償することというふうに、賠償額をきめておくことを禁止しているだけです。

会社の車に傷をつけてしまったら修理代の全額を、食器を割ってしまったら買い替え代金の全額を請求することは可能ということになります。請求することは自由ですが、利益は会社、壊したら従業員が弁償しなさいでは公平性に欠けるといわざるをえません。これでは、従業員の士気が下がり、会社の業績がアップしていくとはとても思えません。

会社が損害賠償を請求できることを就業規則に入れること自体はおかしくありませんが、請求できるのは、「故意のとき」あるいは「重大な過失のとき」に限定すべきです。

むしろ、故意に会社に損害を与えたときには、懲戒処分と同時に損害賠償を請求すべきです。では「重大な過失のとき」とはどのようなときかというと、予見可能なのに、それを無視して損害を発生させたときです。たとえば、自動車運転前に酒を飲んで事故を起こした、火気持ち込み禁止を知りながら喫煙して火事を起こしたときが、「重大な過失のとき」にあたります。

会社側としては、こうした損害賠償や従業員の不祥事が起きた場合、本人と併せて損害賠償責任を負ってくれる人を確保しておく必要があります。いわゆる「身元保証人」です。

職員の採用する際、特に金銭を取り扱う部署に就く従業員には、身元保証人を用意してもらうことをお勧めします。

 

なお、身元保証の期間は、期間の定めのない場合は3年、期間を定めた場合でも5年を超えることはできません。保証期間を更新することはできますが、自動更新の約定は無効

となり、再度更新しなければ最長5年で効力がなくなりますのでご注意ください。

 

 

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新型うつ病対策

20~30代のさほど真面目でない若手の従業員がいつの間にか休みがちになって、いきなり病院の診断書を出して休職するという「新型うつ病」が最近増えていますが、新型うつ病には一体どのように対処していけばいいでしょうか?

 

新型うつ病は、従来のうつ病と異なり、休養をとらせて薬を服用するといった対応では不十分で、人を育てる視点と取り組みが必要です。

 

新型うつ病は従来型とは異なり、基本的には過労がうつ症状の原因ではないので、仮に休養をとっても性格的な問題点には何ら変化がなく、根本的な解決にはなりません。

復職後も同様の問題が発生し、また休職してしまうことになるからです。

 

新型うつ病を引き起こすストレスの原因ですが、仕事が多いことや残業時間が長いことは、ストレスの原因の一つとはなりますが、それ以上に大きい要因は仕事をする上で一定範囲の裁量度を認められているかどうか、また、仕事をやり遂げた時の達成感や周囲からの承認が得られるかどうかなのです。

 

若い社員には、仕事量の多さがストレスの原因なのではなく、仕事のやり方や意義がわからなかったり、仕事における自分の役割分担が不明確であることが主なストレス要因となっているケースが多いからです。

 

部下や若手がストレスを感じ、やる気を失う要因のひとつが、上司による一方的な指示命令です。これでは、部下の「やらされた感」が募る一方で、本当のやる気はおきません。また自分で考える習慣がつかなくなるので、部下がなかなか成長しません。

上司は、部下が自ら考え活動するような質問を投げかけ、従業員を自由に活動させ、モチベーションを上げさせることが必要です。

 

若手に対し、今職場で一番成し遂げたいことは何か。そのために大切な行動は何かなどと問いかけ、自主性を尊重することが新型うつ病の予防にもつながります。

 

仕事の分量が多くて勤務時間が長いだけでなく、一方的に与えられる仕事であったり、結果を出しても周囲から承認されないような職場は、ストレスがたまりやすく、メンタルヘルス不調者が多発しやすい職場といえます。

 

 

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「新型うつ病」とは?

最近、会社の人事・労務の方などから、「うつ病のタイプが昔とはかなり変化してきた。」という話をよく聞きます。

 

うつ病を発症する従業員の年齢層や性格、発症にいたる経緯、仕事への取り組みの姿勢、上司や同僚に対する態度が従来とは大きく異なってきており、対応に手を焼いているというのです。

 

従来は、真面目な40~50代の中高年の従業員が無理を重ねた結果、うつ病を発症してしまう傾向があったのですが、最近は20~30代のさほど真面目でない若手の従業員がいつの間にか休みがちになって、いきなり病院の診断書を出して休職するケースが増えてきたというのです。

しかも、職場では抑うつ気分や頭痛を訴え仕事が全く手につかないのに、休みの日になると映画やスポーツなど私生活をエンジョイしていて、溌剌としているというのです。

 

これはいったいどういうことでしょうか?

 

真面目な40~50歳代の従業員が発症していた従来のうつ病は、「メランコリー親和型うつ病」と呼ばれています。責任感が強く几帳面な従業員が頑張りすぎて、燃え尽きるように発症すると言われています。

 

これに対して、新しいタイプのうつ病は、「ディスチミア親和型うつ病」と呼ばれ、もともと性格的に未熟で適応性に問題があり、それが背景になって職場に適応できず、ストレスが加わると発症するという特徴があります。

性格的に未熟で職場への適応力の低い若手従業員が、学生時代までは通用していた自分なりのやり方が通用しないことに挫折感を味わい、その原因を職場や上司のせいにして周囲から孤立し、居心地が悪くなり、周囲への不信感や不適応を強め、うつ状態になっていくようです。

 

幼少期からパソコンや携帯電話などに囲まれて育ったため、コミュニケーションや感情の表現、適切な自己主張の仕方がわからず成長してしまったうえに、昼夜逆転の生活や運動不足、食生活の破たんなど、ライフスタイルの乱れがストレスに対する耐性を弱め、ちょっとしたストレスを引き金にして発病してしまうのです。

 

この新型うつ病には、どのように対処したらいいかは次回触れさせていただきます。

 

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メンタルヘルス不調の兆候

業務のストレスや過重労働、社会の人間関係あるいはプライベート上のトラブルなどで、メンタル面に異常を来たす労働者がここ数年増加しています。

 

メンタル面での異常を完全に防ぐことはかなり難しいですが、職場の上司や同僚がその兆候を日常的な取り組みによって少しでも早く察知することが、被害を最小限に食い止めるうえで大事です。

上司や同僚が日頃からどれだけ従業員に対して関心と気配りをもって接し、観察しているかが最大のポイントになりますが、メンタル面で不安定になってきた従業員には、必ずその兆候が表れます。

 

主な兆候としては、

  無断欠勤や病気休暇が増える

  月曜日(休日明け)や金曜日の欠勤が増える

  遅刻(特に月曜日の朝)

  仕事の能率が低下

仕事をするのに今まで以上に時間がかかる、期限までに仕事ができない、

不注意や判断力の低下からミスが目立つ

  元気がなく口数が減る、自信がない・迷惑をかけているという言動が目立つ

  不安な表情、離席が多くなる

  居眠りをしたり、ぼーっとしている

などです。

 

うつ病発見のための「ケチな飲み屋のサイン」というもあります。

 

け 欠勤

ち 遅刻・早退

な 泣き言を言う

の 能率の低下

み ミス、事故

や 辞めたいと言い出す

 

メンタル面で不調になると、必ず何らかのサインがありますので、いち早く察知し、手遅れにならないよう対応してください。

 

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パワハラの定義

「パワハラ」という言葉は、最近すっかり定着していますが、パワハラ(パワーハラスメント)の定義を御存知でしょうか?実は、この言葉の定義は最近できたもので、昨年1月、国(厚生労働省)が「職場におけるパワーハラスメントの定義」を公表しています。

 

厚生労働省は、「職場のパワーハラスメントとは、同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう。」と定義づけました。

どこまでが、業務上の指導でどこからがパワハラかの線引きかが難しいところですが、 「業務の適正な範囲を超え」るものがパワハラになるという見解です。これでも、まだ抽象的ですね。

この報告書では、パワハラが6つに分類されているので、この6つの分類を見たほうが、 わかりやすいかもしれません。

 

6つの類型は、
 
 暴行・傷害(身体的な攻撃)
 脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
 隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)
 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じる
  ことや仕事を与えないこと(過小な要求)
 私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害) ですが、

現実的には、などが多そうな気がします。

パワハラによる精神疾患で会社を休む人が増えており、都道府県労働局への相談もこの8年間で6倍に急増しています。

遅まきながらという気もしますが、国や企業も含めた社会全体で取り組んでいくべき重要な課題です。
 

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