以前、「日本年金機構が厚生年金に加入すべきなのに加入していない事業所を対象に、実態調査を行うことになりそうです」というブログをアップしましたが、
4月から企業版マイナンバーを活用し、厚生年金に加入していない企業に対し、強力に加入を指導することになりそうです。
...そもそも厚生年金に加入していない企業を日本年金機構が把握していなかったので、実態を把握するため、アンケート調査を行っていたのですが、
多分、未回答の事業所も多く、遅々として調査は進まなかったのではないかと思います。
このため、四月から「企業版マイナンバー」を活用して厚生年金未加入企業を特定し、電話や文書で加入を要請するとのことです。
電話や文書で加入を要請し、応じてくれない場合は事業所を訪問し要請し、それでも応じない場合は立ち入り検査を行い強制的に加入させるという流れになりそうです。
日本年金機構が厚生年金に加入すべきなのに加入していない事業所を対象に、実態調査を行うことになりそうです。
衆議院の予算特別委員会で安倍首相が明らかにしましたが、実は、すでに昨年9月、日本年金機構が「厚生年金保険・健康保険の加入状況について(お願い)」というアンケート調査を行っており、調査表が郵送されてきた方も多いのではと思います。
アンケート調査表が送られてきた方、回答されましたか?
...私のところにも、「日本年金機構は、どうやってアンケート調査を行う事業所を選んだのか?」、「厚生年金に加入していないが、調査に回答しないとまずいか?」というお問い合わせがありました。
アンケート調査を行う事業所は、国税局が所有している源泉徴収義務者データを活用したようで、アンケート調査に回答しなかった場合、回答するよう督促され、厚生年金に加入すべきなのに加入しておらず、加入に向けた手続きも進めていないと回答すると、厚生年金に加入するよう年金事務所から指導されるという流れになることが予想されます。
今回のアンケート調査の時期や内容は、現段階では明らかではありませんが、詳細がわかり次第、情報を提供したいと思います。
皆さんのお手元に、昨年末までに「マイナンバー」の通知が郵送されていると思いますが、1月から雇用保険の申請には、マイナンバーの記載が必要になります。
雇用保険の被保険者となった時や失業給付の手続きの際、書類にマイナンバーを記載する必要がありますので、通知カードはきちんと保管しておいてください。
日本年金機構に提出する厚生年金・健康保険(協会けんぽ)の書類については、マイナンバーの記載は延期になっていますので、今の段階では、マイナンバーの記載は必要ありません。
ただし、市町村が窓口になっている「国民健康保険」や労災年金の請求書には、マイナンバーの記載が必要になっていますので、ご注意ください。
2月18日に開催された第64回全国健康保険協会運営委員会において、平成27年度の協会けんぽの都道府県単位の健康保険料率が了承されました。
平成27年度の健康保険料率は全国平均10.0%の維持の方向ですが、率は都道府県によって微妙に異なっており、石川県は、10.03%から9.99%と若干ですが引き下げになります。
介護保険料率については、全国一律で1.72%から1.58%へ引き下げになりそうです。
今後、厚生労働大臣の認可を受け、来年度の保険料率が正式に決定されますが、衆議院の解散に伴い政府予算案の閣議決定が例年より遅れたことから、健康保険料率及び介護保険料率の変更は、例年より1カ月遅れの4月分(5月納付分)からとなりますので、給与担当者の方などは、お気を付けください。
中小企業の従業員等が加入する「協会けんぽ」の平成26年度健康保険料率が2月20日、正式に決定されました。
健康保険料は、都道府県ごとに率が定められており、県によって率が異なっているのですが、石川県の保険料率は、昨年同様10.03%で据え置きとなりました。
一方、40歳から64歳の加入者が支払う介護保険料は、1.55%→1.72%の引上げです。
介護保険については、介護給付費が年々増加していることに伴い、協会けんぽが負担しなければならない額が増加し、700億円程度の赤字が見込まれるため、引き上げざるを得ない状況だということです。
新しい保険料は、4月納付分から適用になります。
4月納付分からの新しい保険料額表は↓ですので、ご参照ください。
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/h26/noukoku/17ishikawa.pdf
4月の給与から3月分の社会保険料を控除して、4月末までに納付ということになりますので、お気を付けください。
なお、厚生年金保険の保険料は、3月ではなく9月から改定になります。
中小企業の従業員等が加入する「協会けんぽ」の平成26年度の健康保険料率は、全国健康保険協会が1月14日に発表した「平成26年度保険料率の見込みと5年収支見通しについて」によると、保険料は据え置きで、平成25年度と同率になる見込みです。
健康保険料は、都道府県ごとに率が定められており、県によって率が異なっているのですが、石川県の協会けんぽの保険料率は、昨年同様10.03%となりそうです。
一方、40歳から64歳の加入者が支払う介護保険料は、平成26年度から引き上げになり、1.55%→1.72%となる見込みです。
例えば、給料が30万円の人は、月額で574円、年額で約6,800円の負担増となり、介護保険料は労使折半なので、事業主も同額の負担増となります。
介護保険については、介護給付費が年々増加していることに伴い、協会けんぽが負担しなければならない額が増加し、700億円程度の赤字が見込まれるため、引き上げざるを得ない状況だということです。
変更後の介護保険料率は、3月分(4月納付分)の給与から適用されることになりますので、お気を付けください。
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/honbu/other/260114/File01.pdf
先日、日本年金機構石川事務センターから郵便がきていたので、何かと思ってなかを開けてみると、「国民年金保険料の口座振替・前納制度のお勧め」の書類が同封されていました。
そういえば、昨年4月、国民年金の保険料を口座振替で前納しようと思い、年金事務所に電話すると、「前納はできますが、口座振替の申込み期限はすぎていますので、口座振替は、来年申し込んでください。」と言われたのを思い出しました。
前納すると保険料が割引になるのですが、どれくらい割引になるかというと
国民年金の保険料は、月額15,040円で、
1年分を口座振替で前納すると 年額で3,780円割引
1年分を現金で前納すると 3,200円割引
半年分を口座振替で前納すると 1,030円×2(2,060円)割引
早割(当月末引き落とし) 600円割引
になります。
そして、平成26年4月からは、1年割引きより割引額の大きい「2年前納」が新設され
2年分の保険料を前納すると、約14,000円の割引になるとのことです。
手続きは、2月末までにして下さいとのことですが、
2年分の保険料の前納ということになると
保険料は、15,040円×12月×2年=360,960円
夫婦二人分では、約72万にもなります。
いくら割引になると追われても、1回で72万円はかなりの金額です。
国民年金の保険料の納付率が悪いので、少しでもたくさん集めたいのでしょが、1年前納と2年前納の割引金額の差も大きすぎますし、72万円というのはちょっと考えさせられ金額ですね。
社会保障審議会医療保険部会が医療費の自己負担額に上限を設ける「高額療養費制度」の見直しを提案しています。
収入が多い方の負担を増やし、収入が少ない方の負担を減らすということですが、実際どれくらいの負担増減になるのか計算してみました。
現在は、70歳未満の方については、所得に応じ3つに区分されていて、自己負担限度額は以下のとおりになっています。
上位所得者(年収770万円以上)
150,000円+(医療費-500,000円)×1%
一般所得者(年収770万円未満)
80,100円+(医療費-267,000円)×1%
低所得者(住民税非課税者)
35,400円
これを所得に応じてさらに細かく区分し、
年収1,160万円以上 ↑
252,600円+(医療費-842,000円)×1%
年収770万円~1,160万円 ↑
167,400円+(医療費-558,000円)×1%
年収570万円~770万円 ↑
122,400円+(医療費-408,000円)×1%
年収370万円~570万円 →
80,100円+(医療費-267,000円)×1%
年収370万円以下 ↓
57,600円
低所得者(住民税非課税者) →
35,400円
という案です。
例えば、医療費が月に100万円かかったとすると、
年収770万~1,160万の方の自己負担限度額は、
現在は、
150,000円+(1,000,000円-500,000円)×1%で
155,500円ですが、
変更後は、
167,400円+(1,000,000円-558,000円)×1%
171,820円となり、
自己負担は、16,320円増えることになります。
年収が370万円未満の方は、ひと月に医療費が100万円かかった場合、
87,430円-57,600円≒約3万円くらいの負担減となります。
ざっと計算する場合は、算式の後半部分の(医療費-●●円)×1%の前に書いてある金額で比較されるといいと思います。
10月7日に開催された「社会保障審議会医療保険部会」で「高額療養費の見直し」が提案されました。
現在、協会けんぽや国民健康保険に加入されている方は、医療機関の窓口で支払う医療費が一定額を超える場合、負担する必要はなく、超えた分は保険者が負担することになっています。
いわゆる「高額療養費」というもので、月単位で計算されることになっており、これまでは、一度病院の窓口で医療費を支払った後、請求して払い戻しを受けていたのですが、昨年4月より事前に手続きをしておけば、入院時に加え外来診療でも、窓口で自己負担限度額までしか支払わなくていいことになっています。
この自己負担限度額ですが、所得と年齢に応じて異なっており、例えば一般的なケースとして、年収が210万円~710万円の70歳未満の方がひと月に医療費が100万円かかったとすると
自己負担限度額は、
80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円
となり、
窓口で支払った30万円(100万円の3割負担)のうち、
30万円-87,430円(自己負担限度額)=212,570円
が戻ってくることになります。
知っていて活用すれば大変ありがたい制度なのですが、高額医療費の支給額が平成13年度は、全体で8,312億円だったのが平成22年度は19,789億円とここ10年間で2倍以上増加していることが見直しを検討した原因のようです。
現在、自己負担限度額は、所得に応じ3段階に区分されていますが、医療費の負担能力を
考慮し、所得区分をさらに細かく分類して中低所得者の負担が軽減されることになりそうです。
また、70歳以上の方の自己負担限度額については、70歳以上の方の医療費の自己負担が本来2割のところを特例で1割に削減していることを踏まえ、今後この見直しと併せ、自己負担限度額の見直しを検討することになっています。
70歳未満の方の高額療養費の見直し実施は、平成27年1月の予定ですが、次回は、所得に応じて高額療養費がどのように見直されるかについて、ふれたいと思います。
10月1日から、インターンシップ、シルバー人材センター業務等で業務を行っているときに負傷した場合には、健康保険が適用されるようになります。
と書くと、「え!インターンシップでケガをしたら、保険が適用にならなかったの?」と思われる方も多いかと思います。
仕事中にケガをして病院に行ったら労災保険で本人の窓口負担なし、仕事以外でケガをしたら健康保険が適用になって窓口で3割負担ということは、ご承知かと思いますが、
インターンシップ、シルバー人材センター業務等で業務を行っているときに負傷した場合には、業務上と判断され、健康保険からの給付が行われず、一方の労災保険では業務上ではないと判断され、いずれの保険からも給付がされない状態が発生していました。
労災は、賃金の支払いを受けている労働者が対象になるので、インターンシップは賃金の支払いを受ける労働でないので、労災の対象ではないという解釈です。
役所間の調整がとれていないばっかりに、ケガをしても保険が適用にならないというのは、おかしな話です。
今回、健康保険の給付範囲が、「業務外について健康保険の給付を行う。」から「労災保険から給付がある業務災害以外について健康保険の給付を行う。」に改正されたので、こうしたことはなくなりました。
インターンシップを積極的に受け入れる企業にとっては、これまで、学生がケガをしないかハラハラドキドキだった思います。
勿論、事故が発生しないような工夫も必要ですが、仮に事故が発生した場合には、健康保険が適用されることを念頭において、適切な対応ができるようにしましょう。
9月25日に開催された「第49回社会保障審議会介護保険部会」で、介護保険サービス利用時の自己負担割合を引き上げる案が出されました。
介護保険利用時の負担は、介護保険の創設から現在に至るまで、一律に1割ですが、所得の多い人は2割にアップさせようという案です。
この根底には、70歳以上の人が病院で受診した際の自己負担割合は、医療保険(健康保険)を使うと一律1割だったのが、所得の多い人は負担が1割→2割→3割とアップしており、医療保険における自己負担割合とバランスをとろうとしているような気がします。
(70歳~74歳の方の負担は2割で、現在は1割に凍結中。75歳以上は1割)
負担の限度額の引上げや特別養護老人ホームに入所できる人を要介護3~5に絞る案なども提示されています。
今後、紆余曲折があると思いますが、2015年度から、利用者の負担が増える形で介護保険が見直されるのは必至だと思います。
政府の閣議決定により、本来の水準よりも払いすぎになっている年金が、引き下げられることになります。
2000年度からの3年間、物価が下がり年金を減額しなければならなかったのに、高齢者の生活に配慮し、年金を減額せずに支給していたのが原因です。
本来支給すべき額より2.5%多く支給しているので、10月から1%、来年4月に1%、2015年4月に0.5%と段階的に減額し、本来の水準に引き下げられます。
10月分の年金から引下げになりますが、年金は2か月後に支払われるので、実際に額が下がるのは12月に支給される分からになります。
今回、1%の引下げということで、国民年金を受給されている方は、月額で666円の減、厚生年金を受給されている世帯(会社員の夫と専業主婦の妻の世帯を想定)は、月額約2,360円程度の減になります。
これまでの累積の過払いが総額で8兆円、1年間で1兆円の過払いとなるという試算が出されており、保険料を負担している者の立場からは、本来の水準に戻すのはやむを得ないと言わざるをえませんが、年金受給者にとっては、厳しい減額です。
厚生年金保険料は、毎年9月に保険料率の変更が行われますが、先月末、日本年金機構より、新しい保険料額表が発表されました。
保険料額表は、以下よりダウンロードして下さい。
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/h25h/1/20130218-193532.pdf
変更といっても、実質は値上げで、保険料は平成28年度まで毎年0.354%ずづアップし続け、平成29年9月以降は、18.3%になる予定です。
9月分から新しい保険料率は、17.120%です。
9月分からということは、10月支給の給与の控除分からの引き上げとなり、10月末納付ということになりますので、気を付けてください。
(何故なら、「当月分の保険料は、翌月支給の給与から控除しなければならない」となっているからです。)
厚生年金は、標準報酬月額も9月分から定時改定されますので、税率の変更とあわせて、控除する金額ががらっと変わることになります。
なお協会けんぽの健康保険料率は、9月ではなく3月分から変わることになっており、石川県は、10.03%(介護保険の2号被保険者は11.58%)で、前年から変更なしです。
健康保険には、お得な制度があるのですが、「申請しないともらえないので、忘れず申請しましょうね。」ということで、前回、高額療養費についてお知らせしました。
今回は、傷病手当金についてです。
会社員が病気やケガでお休みして、給料がもらえない時、健康保険から傷病手当金として給料の3分の2が支払われます。
有休休暇を使って休んでいる間は、この傷病手当金は支給されませんが、無給で休んでいる間は、労働者の生活を保障しましょうという観点から、最長で1年6月支給されることになっています。
会社の経営者の方や総務の方は、長期にわたってお休みされる従業員が出てきた場合は、
この制度を活用して、従業員の不安を取り除いていただけたらと思います。
そして、この傷病手当金も高額療養費と同様に、申請しないともらえませんので、きっちりと申請してください。
なお、傷病手当金という制度は、残念ながら国民健康保険にはありません。
協会けんぽや健康保険組合に加入している場合のみ対象になりますので、ご留意ください。
昨日、テレビのミヤネ屋で、「健康保険の賢い利用法」という特集をしていました。
健康保険には、高額療養費や出産育児一時金、出産手当金、傷病手当金、埋葬料などお得な制度があるのですが、「申請しないともらえないので、忘れず申請しましょうね。」という内容の放送でした。
確かに、国や健康保険協会が、がんがん宣伝しているわけではないので、知らない人がいるのは無理のないことです。
知らなかったので申請せず、もらえなかったというのは、せっかく保険料をかけているのに、もったいない話です。
条件に該当するものは、手続きが面倒でも、きっちり申請したいですね。
テレビでも紹介がありましたように、健康保険には、お得な制度がいくつかありますので、順に紹介していきたいと思います。
まずは、高額療養費です。
病院で手術や入院をすると、窓口で支払う医療費が高額になり大変ですよね。
しかし、「高額療養費」の支給申請をすれば、あとで医療費が戻ってきます。
ざっくりした話になりますが、例えば、ひと月で医療費が100万円かかったとすると、病院の窓口で30万円支払わなければなりません(3割負担)。
しかし、申請をすれば、
1か月の支払い限度額は、80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円となり、300,000円-87,430円=212,570円が戻ってくるわけです。
また、事前に申請することで、窓口負担を軽減する方法もあります。
自分が加入している公的医療保険から「限度額適用認定書」の交付を受け、病院の窓口で提示してください。
この認定書を提示することで、病院の窓口での支払いを負担の上限額(今の場合で言うと87,430円)にとどめることができます。
これは、高額療養費が病院に直接支払われることになるからで、高額療養費の申請をすると支給まで3か月ほどかかるので、経済的にも助かりますよね。
なお、高額療養費は月単位(1日から末日まで)で、食費や差額ベッド代などは対象となっていませんので、ご注意ください。
労働保険の「年度更新」、社会保険の「算定基礎届」という年に一度の書類を役所へ提出しなければならない時期になってきました。
いずれも提出期限は、7月10日までです。
忘れず提出してください。
なお、書類の作成に当たっては、以下の点に気を付けてください。
労働保険の年度更新とは、労災保険と雇用保険の今年度分の保険料を概算で支払、昨年概算で納めた保険料を精算することを言います。
注意点は以下のとおりです。
・4月に満64歳以上の人は、雇用保険料が免除されます
・パートさんやアルバイトでも1週間に20時間以上働き、31日以上雇用の見込みのある人は対象になります
・通勤手当も対象になります
また、社会保険の算定基礎届とは、4~6月の給与をもとに9月からの健康保険料、厚生年金保険料を決めるために提出するものです。
こちらも以下の点に注意してください。
・3月末締切、4月10日払いの給与は、実際は3月分の給与ですが、4月分の給与として取り扱われます。労働保険と取扱いが異なっています。
・4月から、産前産後休業中も保険料が免除されることになっています(これまでは、育児休業中は、社会保険が免除されましたが、産前産後休業中は、免除されませんでした)
くれぐれも締切に遅れないよう、お気をつけください。
4月から国民年金の被保険者になったのですが、4月分の保険料は5月末までに納めればいいとのんびりしていて、1年分の保険料を前払いすると保険料が割引になるのをうっかりしていました!
慌てて、日本年金機構の石川事務センターへ電話すると、
「銀行の口座振替で1年分の保険料を支払う場合は、口座振替依頼書を2月末までに提出していただかなければならないので、本年度分は無理ですが、現金で1年分の保険料を前払いするのであれば、今日その納付書を送るので、4月30日に納めていただければ大丈夫です。」とのことでした。
国民年金の保険料は、月額15,040円(年額にすると180,480円)で原則、翌月払いですが、前納すると保険料が割引され、
(1)1年分を銀行の口座振替で払うと年額は176,700円で3,760円の割引
(2)1年分を現金又はクレジットカードで納付すると3,200円の割引
(3)毎月の口座振替を翌月払いでなく当月引き落とし(4月分の保険料を4月に払う)にすると600円の割引
(4)半年分づつ銀行の口座振替で払うと年額で2,060円の割引
(5)半年分づつ現金又はクレジットカードで払うと1,460円の割引
となっています。
口座振替の依頼書を2月末までに提出では、4月から国民年金の被保険者になった者は、
間に合うわけないじゃないかと思いつつ、次善の策として、現金で保険料を前納すること
にしました。
現金で国民年金の保険料を納めようと思われる方で、1年分前納の納付書をお持ちでない
方は、日本年金機構石川事務センター(253-5156)へお問い合わせのうえ、納付
書を送ってもらいお支払することをお勧めします。
サラリーマンを3月31日辞めて、自営業になったので、4月1日に早速、市役所に行き、国民年金の手続きをしてきました。
サラリーマンは、国民年金の2号被保険者、扶養している妻は3号被保険者になるのですが、自営業になったので、2号被保険者から1号被保険者への切り替えが必要だからです。
扶養している妻も3号から1号への切り替えが必要になります。
手続き的には、種別変更届が必要になるのですが、市役所の窓口で簡単な届出書を書くだけでOKでした。
(印鑑とサラリーマンを辞めたことが証明できる書類、年金手帳は持っていきましたが)
保険料は、一人ひと月15,040円なので、二人分で30,080円となりますが、400円の付加年金も申し込んできました!
何故かというと、この付加年金は、将来、年金を受給することになったときに、2年間以上年金を受給できると納めたもとがとれる、大変お得な年金だからです。
例えば、400円の付加年金を10年納めると保険料は、400円×12月×10年=48,000円の負担になりますが、
付加年金額は、200円×付加保険料納付月数なので、200円×120月=24,000円が一年間で受給できます。
2年間で48,000円となるので、掛けた保険料が2年でリターンされることになります。
市役所の窓口で「付加年金もお願いします」というだけで加入できますので、手続きも簡単です。
病院で手術や入院をすると、窓口で支払う医療費が高額になり大変ですよね。
「高額療養費」の支給申請をすれば、あとで医療費が戻ってくるから大丈夫ということを知っていらっしゃる方も多いと思いますが、それにしても、病院の窓口で治療費を一度支払わなければならないので、一時的に経済的な負担になることは間違いありません。
実は、事前に申請することで、窓口負担が軽減される方法があります。
自分が加入している公的医療保険から「限度額適用認定書」の交付を受け、病院の窓口で提示してください。
この認定書を提示することで、病院の窓口での支払いを負担の上限額までにとどめることができます。
これは、高額療養費が病院に直接支払われることになるからで、加入している医療保険に対して事後に高額療養費の支給申請をするという手間も省くことができます。
また、高額療養費の申請をすると支給まで3か月ほどかかるので、経済的にも助かりますよね。
自己負担の限度額は、所得や年齢に応じて異なっていますが、例えば70歳未満で所得が一般(月収53万未満)と区分されている方の場合、
1か月の負担の限度額は、80,100円+(医療費-267,000円)×1% となっています。
仮に、1か月で医療費が100万円、窓口での負担が3割の30万円かかったとすると
1か月の限度額は、80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円となり、
窓口で87,430円を支払えば残りの212,570円は医療保険から病院に高額療養費として支払われることになります。
なお、高額療養費は月単位(1日から末日まで)で、食費や差額ベッド代などは対象となっていませんので、ご注意ください。
改正高年齢者雇用安定法の施行まで、あと1か月強になりました。
その対応として、就業規則及び労使協定の見直しを行われている企業も多くあると思います。
先日、改正法施行に関連して社会保険の取扱いが示されましたので、ご案内したいと思います。
社会保険の標準報酬月額の決定及び改定方法は、「資格取得時決定」、「定時決定」、「随時改定」の3つの方法がありますが、一度雇用されると雇用が継続している限りは「定時決定」または「随時改定」のいずれかが適用されます。
このうち「随時改定」とは、基本給等に変動があった場合、変動月から3か月の給料を平均した額により標準報酬月額を変更するもので、定年後1日の空白もなく同じ会社に再雇用された場合、事実上雇用関係が継続しているので、「随時改定」により標準報酬月額が改定されていました。
定年後に賃金を下げて即再雇用されたとしても「随時改定」により標準報酬月額が改訂されるとすると、賃金引き下げから標準報酬月額の改定まで3か月のタイムラグが生じてしまい、その間、給料が下がったのに高い保険料を支払い、かつ実質の給料に比べて高い額の標準報酬月額により在職老齢年金の支給停止が行われるというダブルパンチを受けることになります。
このため、平成8年より、特別支給の老齢厚生年金の受給権者が、定年により退職後継続して再雇用された場合は、再雇用された月から再雇用後の給料に応じた標準報酬月額に即時改定されることになりました。
手続き的には、被保険者資格の喪失届と取得届を同時に提出し、退職日の翌日に被保険者資格の喪失・取得を行うので「同日得喪」と呼ばれています。
今回、この取り扱いが拡大され、対象となる者が「特別支給の老齢厚生年金の受給権者」から「60歳以上の者で、退職後継続して雇用される者」に拡大されました。
どういうことかというと、平成25年度に60歳になる者は、昭和28年生まれになるのですが、誕生日が昭和28年4月2日~昭和30年4月1日の者は、特別支給の老齢厚生年金が61歳にならないともらえないので、再雇用される時点で「同日得喪」の要件である「特別支給の老齢厚生年金の受給権者」を満たしていないことになります。
そうすると再雇用されて給料が下がっても、随時改定で3か月のタイムラグが生じてしまいます。特別支給の老齢厚生年金は受給していないので、在職老齢年金の支給停止に関するデメリットはありませんが、少なくとも3か月間は給料が下がったのに高い保険料を支払わなければならないという負担が生じてしまいます。
今回の改正は、このデメリットを取り除くためのもので、評価に値するものと思慮しています。
平成25年度の健康保険料率は、据え置きで平成24年度と同率になる見込みです。
協会けんぽの健康保険料率は、平成24年度まで3年連続の引き上げにより、10%台に達するという状況にあることから、平成25年度の健康保険料率について、大きな議論となっていました。
1月29日に平成25年度政府予算案が閣議決定され、協会けんぽの財政基盤強化のための特例措置が2年間延長される見込みとなったことから、
1月31日に開催された協会けんぽの運営委員会において、全県とも現行の保険料率を凍結する方針を固め、現行のまま据え置きされることになるようです。
健康保険料率は、県ごとに率が異なっているのですが、石川県においても
平成23年度 9.52% → 平成24年度 10.03%と10%の大台を超えていました。
今回、平成25年度の介護保険料も据え置きの予定なので、平成25年度の健康保険料率は、10.03%、介護保険料率は、1.55%となる見込みです。
健康保険料率が変更になると、4月に納付する3月分の給料から引き去る率を変えなければならないのですが、今回は健康保険料率が据え置きになる見込みなので、その分の事務は軽減されそうです。
今後、2月中に厚生労働大臣の認可を得て、平成25年度の健康保険料率が正式に決定される見込みです。
従業員がケガをしたり病気にかかったりして、会社に連続して出勤できない場合に備えて、就業規則に休職についての規定を定めてありますか?
従業員の勤続年数に応じた休職期間を設定してある場合が多いようですが、
例えば、勤続3年未満場合は、休職期間6か月
勤続3年~10年 休職期間1年
勤続10年以上 求職期間2年
と規定としてあった場合は、どうでしょうか。
中小企業で、従業員が会社を2年休職した場合、残りの社員で2年間仕事も仕事のやりくりが可能ですか?やりくりが難しければ代わりの従業員を雇うしかありませんが、2年間休職していた社員が復職すると、今度は補充した従業員の分だけ、人件費が増加してしまいます。
休職期間は、このようなリスクが生じることを念頭において定める必要があります。
休職期間中の従業員は、働いていませんので、会社はノーワークノーペイで休職している従業員に給料を支払う必要はありません。
じゃあその間、休職している従業員の生活はどうなるのかというと、健康保険に加入されている会社であれば、従業員が病気やケガで働けない場合、健康保険から会社を休んでいる従業員に傷病手当金が支給されます。
勿論、申請をしないと傷病手当金は支給されませんが、給料の3分の2の額が支給されます。この傷病手当金は、支給期間が1年6月と定められています。
従業員が会社を休んでいても、給料3分の2の額の傷病手当金が1年6月支払われることを考えると休職期間は長くても1年6月にすべきかと思います。
なお、休職している条業員に給与を支給しても、その分は傷病手当金が調整減額して支給され、給与の負担損になりますので、ご注意ください。
休職期間が1年6月というのは、休職期間は最長でも1年6月とすべきではということですので、会社の規模によっては休職期間は6月でも十分でしょう。
会社にとっては、休職期間は短ければ短いほどリスクが減りますが、労働基準法の解雇予告の規定(原則、解雇するには30日前の予告が必要)とのバランスから、最低でも30日以上としておくのが無難です。
40歳になると医療保険(健康保険や国民健康保険)の保険料に加え、介護保険料を納めなければならいことになっています。
40歳以上65歳未満は介護保険の2号被保険者、65歳以上は1号被保険者になります。
サラリーマンであれば、保険料が天引きされるので、介護保険料を納めているという実感が薄いと思いますが、せっかく保険料を納めているのですから、介護保険を有効に活用したいものです。
例えば、御社の従業員の親などが高齢で体調がおもわしくない場合、親の心配や介護で従業員から相談を受けることが考えられますが、その際、適切なアドバイスをすることができれば、従業員も安心して仕事に打ち込むことができますよね。
親の体調がおもわしくない場合は、当然、病院で診察してもらっていると思いますが、
その後は、市町村役場の福祉部門(例えば、長寿介護課など)に相談するようアドバイスして下さい。
高齢者で体調がおもわしくない場合、介護保険の色々なサービスを受けることができるのですが、そのためにはまず、要介護の認定を受けることが必要です。例えばデイケアセンターに親を行かせたいと思っても、市町村から介護の認定を受けていないと行くことができません。
そのためにも、まず市町村の担当部署に相談して下さい。市町村の担当者がご自宅まで訪問して本人やご家族から調査項目に基づき聞き取り調査をしてくれます。その後、要介護認定の申請をすることになるのですが、これも市町村の担当者がほとんど記入してくれるので手続き的には、心配は無用です。
市町村の担当者が受診している医師に病状を直接問い合わせ、その後介護認定審査会で要介護にランクが決定されます。
認定後は、ケアマネージョーがご自宅を訪問し、ケアプランを作成してくれます。介護認定及びケアプランは無料です。ケアマネージャーとどこのデイケアへ行くか相談して、何か所か下見をして決定するといいでしょう。
介護保険に加入しているので、デイケアの料金も1割負担になります。
女性従業員が出産して、その後育児休業される場合、以下のような支援措置があります。、手続き漏れのないようご注意ください。
1 育児休業給付
雇用保険の被保険者が1歳(保育所へ入所できないなど一定の場合は1歳6か月)に満たない子を養育するために育児休業した場合、一定の要件を満たすと育児休業給付の支給を受けることができます。
支給額は給与の50%です。
なお、育児休業期間中に事業主から賃金の支給がある場合は、以下のとおりになります。
賃金を30%支給 育児休養給付金は50%支給
賃金を30~80%支給 賃金の80%から休業中に支払われる賃金を控除
した金額を育児休業給付金として支給
育児休業中に賃金を全く払わなければ、育児休業給付金が給与の50%支給され、賃金を30%支払っているのであれば、休業中の従業員は給付金50%+賃金30%で8割の所得が保証されることになります。
2 育児休業中の社会保険料の免除
事業主の方が年金事務所又は健康保険組合に申し出ることによって、育児休業中の保険料が事業主負担分及び被保険者本人負担分ともに免除されます。
社会保険料の免除を受けていても健康保険の給付は通常どおり受けることができますし、免除期間分も将来の年金に反映されるようになっています。
3 育児休業後の社会保険料の特例
育児休業が終了した後、給与が低下した場合は、申出により社会保険料が改定され、
安くなります。
納める社会保険料が少なくなるということは、将来もらう年金の額がすくなくなるのではという懸念があると思いますが、将来の年金額は、給与が下がる前の給与で計算されることになっています。
育児休業中は、雇用保険から給与の半分の助成金が本人に支払われ、社会保険料も労使ともに免除になるということです。仮に育児休業中に給与を支払うのであれば、給与の30
%までにとどめておいてください。
女性従業員が妊娠して、出産することとなった場合、本人の申出により産前6週間は産前休暇、産後8週間は本人の申出に関係なく産後休暇をあたえなければなりませんが、本人から出産を機に退職したいという申し出があったとき、本人の希望どおり退職してもらっているということはありませんか?
確かに妊娠した従業員が産前・産後休暇をとり、その後1年間育児休業をされると、従業員の少ない会社では、残された社員で産休中の職員の仕事をカバーするのはかなり厳しいことになります。従って、出産される従業員に退職の希望があれば、辞めてもらって新しい職員を採用したいとこなのでしょうが、新たに職員を採用するということになると、採用コストが生じるということを念頭においておかなければなりません。
新たに職員を採用するには、お金の面は勿論、御社が望む社員が採用できるかという心配や、仮に採用できても採用後の訓練教育にかかるコストや労力を考えると、出産される職員が休んでいる間だけ代替で職員を雇い、子育てが終了後は復帰してもらうという選択肢も考慮すべきでしょう。
社会全体で子育てを支援していこうという流れの中で、出産や出産後の育児休暇については行政の支援措置が拡充されてきています。出産される職員を辞めさせることなく、行政の支援措置をうまく利用していきたいものです。
なお、産前産後休暇中及びそのご30日間は、労働基準法の定めにより、解雇することができませんのでご注意ください。
産前・産後期間中には、以下の助成措置がありますので、手続き漏れのないようご注意ください。
1 出産育児一時金
健康保険や国民健康保険などの被保険者又はその被扶養者が出産したとき、出産に直接要する費用や出産前後の健診費用等の出産に要すべき費用の経済的負担の軽減を図るため、一児につき42万円が支給されます。
なお、妊婦などが、加入する健康保険組合などに出産育児一時金の請求を行う際、出産する医療機関等にその受け取りを委任することにより、医療機関等へ直接出産育児一時金が支給されるため、退院時に窓口で出産費用を支払う必要がなくなります。
2 出産手当金
健康保険に加入している人が、出産のため会社などを休み、その間給料が支給されない場合や減額された場合、分娩の日以前42日目(多胎児の場合は98日目)から分娩の日の翌日以後56日までの範囲内で会社を休んだ期間について支給されます。(分娩の日が分娩予定日より遅れた場合は、その日数分も受け取れます。)
出産手当金は、1日につき標準報酬日額の3分の2に相当する額が支給されます。(会社を休んだ期間について、事業主から報酬を受けられる場合、その額を控除した額が手当金として支給されますが、出産手当金より多い報酬が支給される場合は、手当金は支給されません。)
御社が健康保健に加入しているのであれば、出産される従業員には、出産育児一時金として42万円プラス給与の3分の2が出産手当金として本人に支給されますので、お休みしている社員も安心して出産できるということになります。
本来の水準よりも払いすぎになっている年金が、引き下げられることになります。
昨年11月の参議院本会議で可決され、実施は本年10月からです。
2000年度からの3年間、物価が下がり年金を減額しなければならなかったのに、高齢者の生活に配慮し、年金を減額せずに支給していたのが原因です。
本来支給すべき額より2.5%多く支給しているので、来年10月から1%、2014年4月に1%、2015年4月に0.5%と段階的に減額し、本来の水準に引き下げられます。
2.5%引き下げられると国民年金を受給されている方は、月額で1,675円の減、厚生年金を受給されている世帯は、月額で5,900円程度の減額されることになります。
年金受給者にとっては厳しい減額ですが、これまでの累積の過払いが総額で7兆円、1年間で1兆円の過払いとなるという試算が出されており、保険料を負担している者の立場からは、本来の水準に戻すのはやむを得ないと言わざるをえません。
何故なら、現在、受給されている方の年金は、自分が現役時代に納めていた保険料の積み立て分を年金として支給されているのではなく、現在の現役世代が納めている保険料から年金として支給されているからです。
低所得者には、月額で最大5,000円が支給される「年金生活者支援給付法」も国会で可決されています。
年金生活者支援給付についても今後レポートしていきたいと思います。
「会社をやめたら、配偶者の健康保険の被扶養者になるのが、保険料を払わなくてすむので一番お得ということをお話しましたが、注意点がいくつかあります。
その一つは、被扶養者になるには、年収が130万円未満でないとダメなのですが、「会社を辞めて雇用保険の失業手当をもらうと被扶養者にならないことがある」ということです。
会社を辞めたが新しい仕事が見つかり、パートとして働いた場合、ひと月の収入が
130万円÷12≒108,333円を超えると健康保険の被扶養者にはなれません。
これは、理解できると思うのですが、ハローワークに行って、雇用保険の失業手当をもらう場合は、要注意です。
何故かというと、失業手当は、税金はかからないのですが、健康保険の被扶養者の年収にはカウントされるので、失業手当の1日にもらう額が3,612円以上だと被扶養者にはなれないからです。
3,612円というのは、130万円÷360日≒3611.1円という計算です。
仮に20年勤めた会社を自分の都合で辞めた場合、失業手当は150日分もらえるので、
3,612円×150日=541,800円で、130万円未満だといっても認めてもらえません。
それでは、失業手当が一日3,612円未満になる人は、どれくらいの月収か計算してみると、月収が135,480円未満の人になります。
(細かい計算は※1)
13万5千円ということは、パートさんでない普通の会社員の場合、失業手当をもらうと健康保険の被扶養者になるのは無理ということになります。
失業手当をもらうのを諦めて健康保険の被扶養者になるか、失業手当をもらって健康保険料を払うかという選択になりますが、どちらが得かはケースバイケースですので、慎重な判断が必要になります。
※1
賃金日額×0.8=一日分の失業手当(基本手当)なので、
3,612円÷0.8≒4,516円 →賃金日額
賃金日額×30で月収は、135,480円になります。
退職される従業員の健康保険の手続きと、退職後どの医療保険に入ればよいかという相談を受けた場合の対応ですが、
従業員が退職して被保険者でなくなった場合、退職日の翌日から起算して5日以内に、管轄年金事務所長に「資格喪失届」の提出が必要です。
この届出にあたっては、退職した者から健康保険被保険者証(病院で月の始めに出す保険証です)を回収して、添付しなければなりません。保険証は忘れずに早めに回収してください。
被保険者証を本人がなくしていたり、回収できなかったりすると「滅失届」を提出しなければならず、余分な手間がかかるので要注意です。
また、退職される従業員から退職後、医療保険はどうすればよいかと問われた場合ですが、
選択肢は、3つあります。
① 任意継続被保険者として現在の健康保険を引き継ぐ
② 一般被保険者として国民健康保険に加入する
③ 家族の被扶養者(家族の属する健康保険等の被保険者)となる
どの医療保険に加入していても、病院での本人負担は治療費の3割なので、保険料が安いものを選ぶのがお得ということになります。
①の任意継続被保険者というのは、退職した前日までに継続して2か月以上健康保険の被保険者であれば、会社を退職しても2年間は全額自己負担で引き続き健康保険に加入できるというものです。
保険料は、会社員のときは保険料の半分を会社が負担してくれますが、退職後任意で健康保険に加入する場合は、全額自己負担となるので、単純にいうと保険料は2倍になってしまいます。
ただし、会社員時代に協会けんぽに加入したいた方で、給料が28万円以上あった場合、保険料は給料が35万円あっても、給料の上限を28万円として計算されますので、保険料が2倍になるということはありません。
仮に給料が28万円だったすると、28万円×10.03%で一月約2万8千円の保険料となり、2年間で67.2万円の負担となります。
なお、手続きは退職後20日以内に行わなければなりませんので、ご注意ください。
国民健康保険の保険料は、前年の所得に応じて決定されますので、思ったより高額となることが多いようです。保険料の計算方法は、市町村によって微妙に違いますので、市町村役場に電話して保険料がいくらになるか問い合わせおくといいでしょう。即座に試算くれますので、この金額と①の任意継続した場合の金額を比較して検討するよう、アドバイスしてください。
勿論、③であれば新たに保険料を納める必要はありませんので、これが一番お得ということになります。
会社員が加入している健康保険や公務員等の共済では、病気やケガで休業し、賃金がもらえないとき、被保険者の生活の保障をするために給付する傷病手当金という制度があります。
]もちろん、メンタルヘルスの関係や精神疾患でお休みされている方も対象になります。
精神疾患でお休みされている方に限らず、病院で受診される際注意いただきたいのは、最低1月に1度は病院で受診していただきたいということです。
精神疾患などで本人の体調が悪く、医師の受信が数か月空いてしまうと、申請書を協会けんぽに提出すると、協会けんぽから「療養状況の申立書」の記載を求められることがあります。病院へ行く間隔あまりに空いていると、本人に病気を直す気持ちがないのではとか、たいして病状が悪くなくて働けるのでは、と疑われてしまうようです。申立書は記載項目も多く面倒なので、提出を求められないよう1月に1度は病院で受診しておいたほうが無難です。なお、協会けんぽから医師のほうにも直接、問い合わせがいくようですのでご注意ください。
傷病手当金を受給して1年を経過すると、協会けんぽから病状はどうかということを記載する用紙が送られてきます。さきほどの療養状況の申立書と同様、協会けんぽに提出する前に
医師によく相談してから提出されるのがいいと思います。
なお、傷病手当金の支給申請は、1月に1度提出しなければならないという決まりはありません。極端な話、3か月に1度でもいいのですが、毎月支給されるほうが収入の目途がたちやすいですし、審査も通りやすいこと、1月に1回は病院で受診しなければならないことを考えると、1月に1回受信した際に、医師に申請書の医師の証明欄を記入してもらい(有料です)、毎月申請書を出されることをお勧めします。
傷病手当金の受給期間は、最長で給付開始後から1年6か月ですが、例えば、受給開始後2か月目で療養のために退職した場合、条件を満たせば、退職後も継続して受給することができます。病気やケガの療養のため仕事を辞めざるを得なくなったときも、しばらくの間は経済的不安を抱えることなく治療に専念することができます。
退職後は、医師の記入欄に労務ができない旨を証明してもらうことで申請でき、会社に記入してもらうところはありません。従って、ご本人が直接、協会けんぽに申請することになります。
なお、受給できる条件は次の2点です。
●退職日以前1年以上健康保険に加入していること
●退職日に休業していること
「1年以上健康保険に加入」は、同一の会社でなくても、A社を退職して引き続き(途切れることなく翌日から)B社に勤務し、合わせて1年以上の場合もOKです。ただし、A社、B社とも健康保険組合か協会けんぽに加入していないと通算はできません。公務員等の共済や国民健康保険や国保組合では、制度が違うので期間の通算はできません。退職後の継続給付を考える場合は、健康保険または共済の被保険者になってどのくらいの期間になるのか確認しておいてください。
また、2つ目の「退職日に休業していること」も大事な要件です。ケガや身体の病気など、継続して休業を要する場合では、休業の合間に出勤することはあまりないですが、うつ病などメンタルの不調で休業している場合、退職前に仕事の引き継ぎをしなければと無理をして出勤し、その日を最後に退職してしまった、などの場合がありえます。その場合、出勤日が退職日になってしまうため、条件を満たさないことになってしまいます。
退職日に出勤してしまったため、退職後、傷病手当金を受給できなくなった事例はよく聞きますので、注意してください。
会社員が加入している健康保険や公務員等の共済では、病気やケガで休業し、賃金がもらえないとき、被保険者の生活の保障をするために給付する傷病手当金という制度があります。
傷病手当金は在職中だけでなく、治癒しないまま退職した場合も、要件を満たせば退職後も継続して受給することができます。
ただし、自営業者などが加入している国民健康保険、フルタイム労働者でも国保組合の加入者にはこの制度はありませんので、ご注意ください。
傷病手当金を受給するには、以下の3つの条件を満たすことです。
(1)病気やケガの療養のため、労務に服することができないこと
(2)会社を休んだ日が連続して3日間あること(4日目以降が給付の対象)
(3)休業して賃金が出ないこと
傷病手当金の申請は、「これから休業する」ときではなく、「休業した後」に行います。申請書には、勤務していなかったことと賃金が支払われなかったことを会社が記入し、その証明として休業期間中の賃金台帳と出勤簿を添付します。病気やけがをしていて働けないということは、医師に証明してもらうことになりますが、申請書の医師の意見を書く欄に記入してもらうことで証明となり、別途に診断書は必要ありません。
受給できる期間は、支給を始めた日から起算して1年6か月までです。途中で勤務可能となり出勤した後、また同一傷病で休むこととなった場合も、その1年6か月の間であれば給付が受けられます。
傷病手当金の額は、標準報酬日額の3分の2です。休業期間中に賃金の一部が支払われた場合は、傷病手当金の額から支払われた賃金額を差し引き、差額分が支給されます。
病気でこれから長期間お休みすることになる従業員は、休んでいる間、給与がどうなるのか?給与が出なければどうやって生活していけばいいのかとすごく不安になるものです。傷病手当金が受給できれば、お休みしていても以前の給与の3分の2が保証されるわけですから、かなり安心になるはずです。
御社が健康保険に加入されていて、病気で長期間会社をお休みされている従業員がいる場合、あるいは、病気やけがでこれから長期間お休み(休職など)される方がいらっしゃる場合は、健康保険に傷病手当金という制度がありますので、これから休職される従業員の方には、この制度をお知らせし、是非活用してください。
なお、病気でお休みされている従業員に給与を支給していると、傷病手当金は給与の分を相殺して支給され、せっかく支給した給与は無駄になってしまいますので、ご留意ください。
産前・産後休業中の社会保険料が免除されることになります。
(社会保険料とは、健康保険と厚生年金の保険料のことです)
「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律」という長い名前の法律が昨年可決されたことによるものです。
「産前産後休業中は、社会保険料は免除でなかったっけ?」と思われた方、現在、出産にからんで社会保険料が免除になっているのは、育児休業期間のみです。
育児休業中は社会保険料は免除になるのですが、産休中は社会保険料が免除になっていないため、うっかり産休中から社会保険料を給与から控除しなかったということがあるようです。
また産休中は給与が出ない場合は、従業員から健康保険や厚生年金の本人負担分を従業員から会社に振り込んでもらわなければならず、手間がかかる上に、本人から保険料を振りこんでもらわないと会社が従業員の分も負担して払わなければならないことになり、余計な負担が生じていました。
今回の改正で、育児休業中に加え、健康保険や厚生年金といった社会保険料が会社負担分・従業員負担分ともに、産前産後休業中も免除されることになり、会社の金銭的な負担がなくなり、また事務的にも煩わしさが軽減され、すっきりします。
いつから産前産後休業中の社会保険料が免除されるようになるかは、未定です。法律の公布日(平成24年8月22日)から2年以内で政令で定める日となっており、具体的にはまだわかりません。
なお、社会保険料が免除されるのは、産前産後休業を開始した日の属する月から産前産後休業を終了する日の翌日が属する月の前月までです。
出産ぎりぎりまで働いて産前休業を取得しなかった方は対象になりませんので、ご注意ください。
ちなみに、産前休業は出産以前6週間、産後休業は出産の日後8週間で、産前休業は本人の請求によりお休みが取得でき(本人が請求しなければ出産まで働くことは可能です)、産後休業は本人の請求が必要でない強制的な休業です(産後6週間経過後は、医師が業務に支障なしと判断すれば就業できます)。
パートタイマーの社会保険の適用が拡大されます。
(社会保険料とは、健康保険と厚生年金の保険料のことです)
「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律」という長い名前の法律が昨年8月に可決され、平成28年10月より実施です。
これまで、パートさんは、健康保険や厚生年金などの社会保険は、働いている日数または時間が正社員の4分の3以上の場合加入する必要があったのですが、4分の3未満のパートさんでも一定条件を満たせば、加入しなければならないことになります。
加入したければ加入できるという任意のものではなく、加入しなければならないというものですので、ご注意ください。
対象となるパートタイマーの条件は、
①一週間の勤務時間が20時間以上
②月額賃金が88,000円以上(年収106万円以上)
③1年を超えて雇用が見込まれること
④学生は除外
労働基準法で1週間の労働時間は40時間以内と定められていますので、正社員の労働時間の4分の3以上つまり、30時間以上働いていることという条件から20時間以上(省社員の労働時間の2分の1以上ということになります)に緩和されたことになります。
現在、厚生年金の標準報酬月額の下限は98,000円ですが、今回の改正で下限が88,000円に引き下げられます。
雇用保険の被保険者となる条件は、パートさんの場合
①1週間の勤務時間が20時間以上
②31日以上雇用が見込まれること
なので、雇用保険の条件に合わせたという感じです。
対象となるのは、従業員が501人以上の企業なので、中小企業の皆様は、平成28年には対象外となりますが、パートさんを採用される場合、健康保険や厚生年金に加入できる従業員が501人以上の企業と福利厚生面での競合ということになりますし、今後、中小企業にも適用となることも考えられますので、注意が必要です。