新型うつ病対策

20~30代のさほど真面目でない若手の従業員がいつの間にか休みがちになって、いきなり病院の診断書を出して休職するという「新型うつ病」が最近増えていますが、新型うつ病には一体どのように対処していけばいいでしょうか?

 

新型うつ病は、従来のうつ病と異なり、休養をとらせて薬を服用するといった対応では不十分で、人を育てる視点と取り組みが必要です。

 

新型うつ病は従来型とは異なり、基本的には過労がうつ症状の原因ではないので、仮に休養をとっても性格的な問題点には何ら変化がなく、根本的な解決にはなりません。

復職後も同様の問題が発生し、また休職してしまうことになるからです。

 

新型うつ病を引き起こすストレスの原因ですが、仕事が多いことや残業時間が長いことは、ストレスの原因の一つとはなりますが、それ以上に大きい要因は仕事をする上で一定範囲の裁量度を認められているかどうか、また、仕事をやり遂げた時の達成感や周囲からの承認が得られるかどうかなのです。

 

若い社員には、仕事量の多さがストレスの原因なのではなく、仕事のやり方や意義がわからなかったり、仕事における自分の役割分担が不明確であることが主なストレス要因となっているケースが多いからです。

 

部下や若手がストレスを感じ、やる気を失う要因のひとつが、上司による一方的な指示命令です。これでは、部下の「やらされた感」が募る一方で、本当のやる気はおきません。また自分で考える習慣がつかなくなるので、部下がなかなか成長しません。

上司は、部下が自ら考え活動するような質問を投げかけ、従業員を自由に活動させ、モチベーションを上げさせることが必要です。

 

若手に対し、今職場で一番成し遂げたいことは何か。そのために大切な行動は何かなどと問いかけ、自主性を尊重することが新型うつ病の予防にもつながります。

 

仕事の分量が多くて勤務時間が長いだけでなく、一方的に与えられる仕事であったり、結果を出しても周囲から承認されないような職場は、ストレスがたまりやすく、メンタルヘルス不調者が多発しやすい職場といえます。