退職される職員への医療保険のアドバイス

退職される従業員の健康保険の手続きと、退職後どの医療保険に入ればよいかという相談を受けた場合の対応ですが、

 

従業員が退職して被保険者でなくなった場合、退職日の翌日から起算して5日以内に、管轄年金事務所長に「資格喪失届」の提出が必要です。

この届出にあたっては、退職した者から健康保険被保険者証(病院で月の始めに出す保険証です)を回収して、添付しなければなりません。保険証は忘れずに早めに回収してください。

被保険者証を本人がなくしていたり、回収できなかったりすると「滅失届」を提出しなければならず、余分な手間がかかるので要注意です。

 

また、退職される従業員から退職後、医療保険はどうすればよいかと問われた場合ですが、

選択肢は、3つあります。

    任意継続被保険者として現在の健康保険を引き継ぐ

    一般被保険者として国民健康保険に加入する

    家族の被扶養者(家族の属する健康保険等の被保険者)となる

 

どの医療保険に加入していても、病院での本人負担は治療費の3割なので、保険料が安いものを選ぶのがお得ということになります。

 

①の任意継続被保険者というのは、退職した前日までに継続して2か月以上健康保険の被保険者であれば、会社を退職しても2年間は全額自己負担で引き続き健康保険に加入できるというものです。

保険料は、会社員のときは保険料の半分を会社が負担してくれますが、退職後任意で健康保険に加入する場合は、全額自己負担となるので、単純にいうと保険料は2倍になってしまいます。

ただし、会社員時代に協会けんぽに加入したいた方で、給料が28万円以上あった場合、保険料は給料が35万円あっても、給料の上限を28万円として計算されますので、保険料が2倍になるということはありません。

仮に給料が28万円だったすると、28万円×10.03%で一月約2万8千円の保険料となり、2年間で67.2万円の負担となります。

なお、手続きは退職後20日以内に行わなければなりませんので、ご注意ください。

 

国民健康保険の保険料は、前年の所得に応じて決定されますので、思ったより高額となることが多いようです。保険料の計算方法は、市町村によって微妙に違いますので、市町村役場に電話して保険料がいくらになるか問い合わせおくといいでしょう。即座に試算くれますので、この金額と①の任意継続した場合の金額を比較して検討するよう、アドバイスしてください。

 

勿論、③であれば新たに保険料を納める必要はありませんので、これが一番お得ということになります。