退職後の医療保険での注意点

「会社をやめたら、配偶者の健康保険の被扶養者になるのが、保険料を払わなくてすむので一番お得ということをお話しましたが、注意点がいくつかあります。
 
その一つは、被扶養者になるには、年収が130万円未満でないとダメなのですが、「会社を辞めて雇用保険の失業手当をもらうと被扶養者にならないことがある」ということです。

会社を辞めたが新しい仕事が見つかり、パートとして働いた場合、ひと月の収入が
130万円÷12108,333円を超えると健康保険の被扶養者にはなれません。

これは、理解できると思うのですが、ハローワークに行って、雇用保険の失業手当をもらう場合は、要注意です。

何故かというと、失業手当は、税金はかからないのですが、健康保険の被扶養者の年収にはカウントされるので、失業手当の1日にもらう額が3,612円以上だと被扶養者にはなれないからです。

3,612円というのは、130万円÷360日3611.1円という計算です。

仮に20年勤めた会社を自分の都合で辞めた場合、失業手当は150日分もらえるので、
3,612円×150日=541,800円で、130万円未満だといっても認めてもらえません。

それでは、失業手当が一日3,612円未満になる人は、どれくらいの月収か計算してみると、月収が135,480円未満の人になります。
  (細かい計算は1)

13万5千円ということは、パートさんでない普通の会社員の場合、失業手当をもらうと健康保険の被扶養者になるのは無理ということになります。

失業手当をもらうのを諦めて健康保険の被扶養者になるか、失業手当をもらって健康保険料を払うかという選択になりますが、どちらが得かはケースバイケースですので、慎重な判断が必要になります。

 
1 賃金日額×0.8=一日分の失業手当(基本手当)なので、
     3,612円÷0.84,516円 賃金日額
     賃金日額×30で月収は、135,480円になります。