一昨年末、国は、「心理的負荷による精神障害の新しい労災認定基準」を策定し、昨年1月には、職場におけるパワーハラスメントの定義を公表しました。
心理的負荷による精神障害とは、過度のストレスによる精神障害、例えば、パワハラなどで「うつ病」などになった場合などのことを想定しており、こうした場合は、労災の対象になるということです。
労災の対象となるという微妙な言い方をしたのは、労災の認定をするのが労働基準監督署だからで、認定されるには、以下の3つの要件を満たしていなければなりません。
①対象となる疾病を発病していること
②発病前6か月の間に、業務による強い心理的負荷(ストレス)があったこと
③業務以外の心理的負荷及び個体的要因により発病したと認められないこと
要するに、業務によるストレスで発病していて、それが業務以外のプライベートな要因で発病したのではないといくことが認定の要件だということです。
ちなみに、職場でのいじめやパワハラが病気になる6か月以上も前からあった場合は、その点も考慮して認定されることになっています。
精神障害による労働災害の申請は、平成22年度、全国で1181件ありました。
このうち、業務上の疾病と認定され労災保険が給付されたのは、308件で全体の29%でした。
石川県は、申請が2件で、2件とも労災保険が支給されました。
この結果をどう評価するかは、難しいところですが、精神障害による労災申請は今後も増加することが予想されます。
労災の認定に関しても、国はパワハラの定義づけを行い、労災認定基準の見直しを行っていることから、今後、認定率が高くなっていくのではと思います。
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