雇用調整助成金の助成率が４月から引下げに

リーマンショックの後、多くの企業の雇用を守ってきた「雇用調整助成金」の助成率がこの４月より引き下げになります。

 

昨年１０月、この助成金の支給日数や教育訓練費（事業所内訓練）の助成単価の引き下げなどが行われたところなので、再度の支給条件引き下げということになります。

 

今回の改正により、助成率は、

　　大企業　　　２／３　　→　　１／２

　　中小企業　　４／５　　→　　２／３

 

となり、「雇用調整助成金」を中小企業向けに内容を拡充した「中小企業緊急雇用安定助成金」は、「雇用調整助成金」に統合されることになりました。

 

このほか、教育訓練（事業所外訓練）の助成額が

　　大企業　　４，０００円　　→　　２，０００円

　　中小企業　６，０００円　　→　　３，０００円

となります。

 

雇用調整助成金は、経営が悪化しても従業員を解雇せずに休業させた企業に、国が休業手当の一部を助成する仕組みで、リーマン・ショックのような危機時には雇用が大きく減って失業者が急増することを防ぐ効果が確かにあります。

 

ただ、不採算事業に労働力が固定される側面もあるため、景気回復局面では成長分野への人材移動を妨げるとの指摘もあります。

 

厚生労働省は、中小企業の資金繰りが改善しつつあるので、成長分野への転職を促し、経済の活性化につなげていこうというねらいのようです。