会社でケガをした従業員が病院へ行く場合の注意点

皆様の会社の従業員が会社で仕事中あるいは、通勤途中でケガをした場合、労災が適用されます。

正式には、労働者災害補償保険と言います。

 

けがをしたら、まず病院へ行き治療してもらうことになりますが、労災指定病院に行き、病院の窓口で必ず「労災で」と言うよう、けがをされた従業員に伝えてください。

労災だと病院での本人負担はゼロなのですが、何も言わずに窓口で健康保険証を出すと健康保険で処理され、本人が3割を負担することになります。窓口で健康保険証を出さないで下さいということも伝えておいたほうがいいでしょう。

 

労災指定でない病院でも労災の治療を受けることはできるのですが、その場合は、医療費の全額を本人が窓口で支払い、後日、労働基準監督署に給付請求書を提出し、支払った医療費の10割が本人に振り込まれることになるので、数回通院すると一時的な本人の負担がかなり大きくなる可能性があります。必ず、労災指定病院で治療するよう伝えてください。

 

病院の全てが労災指定を受けているわけではないので、事業所の近くの病院で、どこが労災指定を受けている病院なのかを事前に調べておくと、イザという時に便利です。

 

最近は、お薬を院外処方で薬局でもらう場合も多いかと思いますが、お薬代も労災が適用されますので、労災指定薬局でも忘れず「労災で」と言ってください。

 

また、病院でうっかり治療を健康保険で受けた場合、健康保険から労災保険に振り替える必要があります。治療が月をまたぎ、翌月になって労災保険に振り替えてほしいと言うと、病院は保険者に毎月、レセプト(診療報酬明細書)という書類を出して診療費の請求を行っているため、面倒なことになりますのでご注意ください。

 

最近は、従業員もインターネットなどで色々と調べており、こういう知識は詳しいので、労災申請をすると労働基準監督署ににらまれるからとか手続きが面倒臭いからという理由で、従業員に労災でなく健康保険で治療するようになどという指示はしないことです。

病院の待合のポスターにもありますが、労災隠しは犯罪です。