10月7日に開催された「社会保障審議会医療保険部会」で「高額療養費の見直し」が提案されました。
現在、協会けんぽや国民健康保険に加入されている方は、医療機関の窓口で支払う医療費が一定額を超える場合、負担する必要はなく、超えた分は保険者が負担することになっています。
いわゆる「高額療養費」というもので、月単位で計算されることになっており、これまでは、一度病院の窓口で医療費を支払った後、請求して払い戻しを受けていたのですが、昨年4月より事前に手続きをしておけば、入院時に加え外来診療でも、窓口で自己負担限度額までしか支払わなくていいことになっています。
この自己負担限度額ですが、所得と年齢に応じて異なっており、例えば一般的なケースとして、年収が210万円~710万円の70歳未満の方がひと月に医療費が100万円かかったとすると
自己負担限度額は、
80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%=87,430円
となり、
窓口で支払った30万円(100万円の3割負担)のうち、
30万円-87,430円(自己負担限度額)=212,570円
が戻ってくることになります。
知っていて活用すれば大変ありがたい制度なのですが、高額医療費の支給額が平成13年度は、全体で8,312億円だったのが平成22年度は19,789億円とここ10年間で2倍以上増加していることが見直しを検討した原因のようです。
現在、自己負担限度額は、所得に応じ3段階に区分されていますが、医療費の負担能力を
考慮し、所得区分をさらに細かく分類して中低所得者の負担が軽減されることになりそうです。
また、70歳以上の方の自己負担限度額については、70歳以上の方の医療費の自己負担が本来2割のところを特例で1割に削減していることを踏まえ、今後この見直しと併せ、自己負担限度額の見直しを検討することになっています。
70歳未満の方の高額療養費の見直し実施は、平成27年1月の予定ですが、次回は、所得に応じて高額療養費がどのように見直されるかについて、ふれたいと思います。
コメントをお書きください
高木 (木曜日, 10 10月 2013 07:27)
わかりやすいニュースですね